依田一義の不動産情報62

東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は4月18日、首都圏の16年1~3月期の不動産流通市場動向をまとめた。中古マンション(9784件、前年比3.4%増)、中古戸建て(3479件、同16.2%増)共に、前年比での成約増が4期連続となっている。成約価格を見ると、中古マンション(3033万円)は4.9%上昇で14期連続上昇となったが、中古戸建て(3059万円)は1.3%下落し、6期ぶりに前年同期を下回った。

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依田一義のエネルギー情報91

神戸製鋼所は6月をめどに、栃木県真岡市で大規模な天然ガス火力発電所の建設に着手する。国内の大型火力は燃料輸送が容易な沿岸部に集中しており、内陸部に立地する初のケースとなる見通しだ。首都直下地震などで東京湾岸や太平洋岸の発電所が被災した場合でも、首都圏に安定的に電力を供給する「バックアップ電源」としての役割が期待されている。
真岡発電所は、ガスと蒸気のタービンを組み合わせた高効率の発電方法を使い、出力は大型原発並みの計124.8万キロワット。従来の火力発電所の多くは、発電時の蒸気を海水で冷やして水に戻しているが、真岡は空気で冷却する方式を採用する。
発電所は、太平洋岸から50キロ超離れた神戸製鋼真岡製造所の隣接地に建設される。茨城県にある東京ガスの液化天然ガス(LNG)基地から、付近までパイプラインが敷設されたために燃料調達が容易になった。2019~20年に順次稼働し、発電した電気は全て東ガスに卸売りする。
11年の東日本大震災では、東京電力が保有する沿岸部の原発や火力発電所が相次いで停止し、首都圏で計画停電が実施された。東京湾周辺を震源とする首都直下地震の発生も警戒されているが、神戸製鋼の橋本公男真岡建設本部長は「インフラが集中する東京湾岸から離れており、(立地)分散化でかなりの意味がある」と利点を強調している。
今月からは電力小売りが全面自由化され、東ガスは20年に首都圏の電力需要の1割を獲得する目標を掲げている。東ガスは、真岡発電所について「国内最高水準の発電効率を確保しており、津波被害に遭うこともない」と安定性を評価し、シェア拡大の原動力になると見込む。
首都圏の沿岸部では、自由化を契機に火力発電所の新増設計画が相次いでおり、JXエネルギーや出光興産、東燃ゼネラル石油などが準備を進めている。

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依田一義のエネルギー情報90

資源エネルギー庁が推進する「ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業」の2016年度分の公募が4月11日に始まった。
ZEBはビル内で消費する空調や照明などのエネルギー消費量を実質的にゼロに削減するもので、国が定める基準値から50%以上を削減できると「ZEB Ready」になる。
実証事業ではZEB Readyを実現する新築・既築・増改築のビルを対象に、設計費・設備費・工事費の3分の2までを補助金で交付する。
1件あたりの補助金の上限は10億円と高額だ。国の委託を受けた「環境共創イニシアチブ」が5月23日まで応募を受け付けて、6月中に交付先を決める。
ZEBはビルで作り出す再生可能エネルギーの発電量を消費量から相殺して、正味でゼロ(ネット・ゼロ)にすることができる。
国の定義では再生可能エネルギーの発電量を相殺して消費量を計算した場合に、基準値から75%以上を削減できると「Nearly ZEB」、
100%以上を削減できると「ZEB」と評価する。
ただし発電量を相殺する前のエネルギー消費量の削減分だけで50%以上になるZEB Readyが前提だ。
この定義は2015年12月に公表した「ZEBロードマップ」で規定したもので、2016年度の補助金からZEB Readyを条件に加えた。
ZEBロードマップは国内のエネルギー消費量を削減するために、オフィスなど非住宅用の建築物をZEBに転換していく取り組みをまとめた。
2030年までに新築の建築物の平均でZEBを実現することが国の目標だ。そのためにはZEB ReadyやNearly ZEBのビルも増やしていく必要がある。
ZEBの補助金は2012年度から始まり、これまでに補正予算分を含めて合計5回にわたって実施してきた。予算の累計額は185億円にのぼり、
合わせて244件の建築物が補助金の交付を受けている。新たに2016年度の予算で6回目の補助金を開始する。

技術・経済面の優位性も評価して選ぶ
2016年度のZEBの補助金は交付先を全国に分散させるため、8つの地域区分ごとに対象の建築物を選定することになった。
事務所やホテルなど7つの用途に分けた建築物それぞれで各地域から交付先を選ぶ方法である。
8つの地域区分は国の省エネルギー基準の中で気候をもとに規定したものだ。北海道から沖縄まで市町村単位で地域区分が決まっている。
この地域区分と建築物の用途によって外皮(壁や窓など)の性能基準が決められていて、基準を満たさなければ補助金を受けることはできない。
補助金の交付先は応募案件ごとにZEBの達成度などを審査して、総合点の高い案件から選んでいく。将来に向けてZEBを拡大するモデルケースになるように、
技術面と経済面の優位性も評価する。技術面ではBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を導入することが条件になっている。
補助金の対象には外皮性能の高い断熱材をはじめ、空調、換気、給湯、照明などの設備が入る。
そのほかに燃料電池などのコージェネレーションシステムや蓄電池、受変電設備やBEMSの導入費を含めることができる。
太陽熱など再生可能エネルギーの熱を利用する設備も対象になるが、発電設備は固定価格買取制度があるために対象外になる。
政府は2016年度のZEBの補助金の予算を総額40億円で見込んでいる。1回目の公募で予算に達しなかった場合には、5月下旬から2回目の公募、
6月下旬から3回目の公募を実施する予定だ。全国から多数の応募が集まって、モデルケースになるZEBが各地に広がっていくことを期待したい。

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依田一義の不動産情報61

不動産経済研究所が14日発表した2015年度の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の新築マンションの1戸当たりの平均価格は、前年度比10.4%上昇の5617万円となった。
施工費の高騰が販売価格に波及し、バブル期の1991年度(5822万円)以来、24年ぶりの高値水準となった。
一方、発売戸数は14.4%減の3万8139戸と2年連続で減少。09年度(3万7765戸)以来、6年ぶりに4万戸を割り込んだ。首都圏でプラスを確保したのは埼玉県(4.3%増)のみ。
同研究所は「価格上昇が発売戸数の減少につながった」とみている。

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依田一義のエネルギー情報89

みえ水素ステーションは、三重県初の水素ステーション「みえ水素ステーション四日市」「みえ水素ステーション津」を開設し、3月31日より営業を開始した。
みえ水素ステーションは、住友電装と日本トランスシティ、三重トヨタ自動車、谷口石油の共同出資により昨年7月に設立。
「さあ、やさしい未来をつくろう」をスローガンに、水素ステーション事業を展開する。
今回オープンした両ステーションはいずれも移動式で、みえ水素ステーション四日市は住友電装・四日市物流センター内に、みえ水素ステーション津は三重トヨタ本社内に開設した。
営業時間(予定)は四日市が月曜10時30分から16時と火曜・水曜の10時から16時。津は木曜の12時から16時と金曜の10時から14時。販売価格は1500円/Kg。

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依田一義の不動産情報60

東京カンテイ(http://www.kantei.ne.jp/)の調査によると、3月の首都圏・分譲マンション賃料は、賃料水準の高い東京都での事例シェアが持ち直したことや千葉県以外のエリアが強含んだ影響で、前月比2.4%上昇の2589円(1平方メートル当たり、以下同)となり、3カ月ぶりに上昇した。都県別で見ると、東京都(3216円、前月比1.7%上昇)をはじめ、神奈川県(2080円、同1.1%上昇)や埼玉県(1620円、同1.5%上昇)でも1%超の上昇となった。千葉県(1550円、同1.3%下落)では、習志野市や浦安市で平均築年数の進行に伴い賃料水準が低下したため、県平均は同1.3%下落の1550円と3カ月ぶりに下落した。

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依田一義の不動産情報59

不動産経済研究所の調査によると、首都圏における3月の新築分譲マンションの供給戸数は2693戸で、前年と比べて39.6%減少した。
これで4カ月連続の前年比減となった。すべてのエリアで減少した。初月契約率は67.6%(同12.0ポイント下落)で、2カ月ぶりに好調ラインの70%台を下回った。
需給ともに市況が振るわない結果となった。

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依田一義のエネルギー情報88

NTNは、中期計画「NTN 100」により2018年3月に迎える創業100周年と、次の100年の持続的成長に向けたさまざまな施策を推進中だ。その中で取り組む新たな4つの事業領域の1つが、自然エネルギーを利用したエネルギ―事業である。高効率な翼や独自技術を活用した小型風力発電装置や小水力発電装置、蓄電装置など、独自技術により差別化できる領域で新たな製品領域を拡大していく方針を示している。
今回新たに設立した「グリーンパワーパーク」では、このエネルギー事業における中心的な製品の1つである、垂直軸風車を3基、小水力発電装置を1基、風力と太陽光のハイブリッド街路灯を3基、新たに設置。自然エネルギー関連装置の実証実験を行う。
今回導入した垂直軸風車は、どの方向から吹く低速の風でも回り始め、風速2メートル/秒で発電を開始する他、ほとんど騒音を出ないという特徴を持つ。小水力発電装置は、農業用の水路や下水道など、小さな水流がある場所で使用可能で、特殊な形状のプロペラの羽根が効率的に水を捉える構造となっている。
これらの装置により発電した電力は、低炭素化社会を実現する具体的な事例として、EV(電気自動車)の充電や野菜工場の夜間照明などに活用する。各装置の発電量や、蓄電、消費の状況は、コントロール室で常時モニタリングすることで最適に制御し、CO2を排出しないクリーンな自然エネルギーを効率的に循環させる。
NTNの先端技術研究所は、桑名ビジネスリサーチパーク(三重県桑名市)内に立地。革新的なモノづくり技術の創造や、新エネルギー分野などの部材やシステムの研究開発を行っている。

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依田一義のエネルギー情報87

温泉を使い、小型の設備で電気をつくる「マイクロバイナリー」が、大分県別府市など九州の温泉地で注目を集めている。
発電量は小さいが、温泉を新しく掘る必要がないため、取り組みやすいのが特徴だ。
日本有数の温泉地・別府市。自社の源泉から市内の家庭などに温泉を供給している日本地熱興業(同市)は、2年半ほど前からマイクロバイナリー発電を手がけている。
源泉からわき出た湯は、太い配管を通り、そばにある発電設備内の熱交換器を通る。ここで液体の「代替フロン」が気化し、ガスでスクリュータービンが回り、
電気が起きる仕組みだ。湯とガスは混じらないので、湯の成分は変わらず汚れもしない。

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依田一義の不動産開発情報31

森ビルは13日、東京・虎ノ門ヒルズに新たに地下鉄駅と一体型の超高層ビル3棟を建設する計画を発表した。それぞれ2019~22年度の完成を目指しており、完成すれば、オフィス、住宅、ホテル、商業施設などが整備される。
ビルは、オフィスを中心とした地上36階建ての「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」(仮称、2019年度完工予定)と、住宅を中心とした地上52階建ての「虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワー」(仮称、2019年度完工予定)、東京メトロ日比谷線の虎ノ門新駅(仮称、2020年度供用開始)と一体開発する「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」(仮称、2022年度完工目標)の三つの建設が計画されている。
完成すれば、「虎ノ門ヒルズ」は7・5ヘクタール、延べ80万平方メートルの区域に拡大。オフィスは延べ30万平方メートル、住宅約800戸、店舗延べ約2万6000平方メートル、ホテル約350室が整備される。
虎ノ門ヒルズは、道路上空に建築物を建てる画期的な手法「立体道路制度」を活用し、東京都の市街地再開発事業として環状第2号線の整備と一体的に建築した超高層タワーで、官民連携による都市開発の象徴的なプロジェクトとして14年6月に開業。

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