依田一義の不動産情報45

2015年に仙台圏で供給された新築マンションの平均価格は前年比313万7000円増の4226万9000円で、過去最高となったことが広告代理店DGコミュニケーションズ仙台支社のまとめで分かった。建設費の高騰や供給数の少なさを背景に、好立地の物件で高価格になった。
仙台圏の供給状況は表の通り。年間の平均価格が4000万円を超えたのは1988年の調査開始以来初めて。青葉区は前年比1042万4000円増の5637万4000円。1坪(約3.3平方メートル)当たりの単価は237万円で首都圏並みの水準になった。
2番目に高かったのは太白区の4252万7000円。あすと長町地区などで需要が伸びる一方、供給戸数は前年より3割減少して価格が上昇した。前年供給がなかった泉区は3661万4000円だった。
全体の供給戸数は891戸で317戸増えたが、2年連続で1000戸を下回った。08年のリーマン・ショック前のおよそ半分の水準で、品薄感が高価格の要因になっている。
販売開始から1カ月以内の初月契約率は、前年比1.5ポイント減の85.1%。15年上半期が90.1%、下半期は80.8%で、高価格による消費者マインドの低下も見られた。
仙台支社の吉野敦支社長は「16年の供給数は1000戸程度で激増することは考えられない。価格もオリンピック需要が落ち着くまで下がりそうにない」と話した。

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依田一義の不動産開発情報25

米ホテルチェーン大手のヒルトン・ワールドワイドは31日、朝日新聞社と竹中工務店が大阪・中之島に建設中の高層ビル「中之島フェスティバルタワー・ウエスト」に、最高級ブランドのホテル「コンラッド大阪」を開くと発表した。コンラッドは東京・汐留に続いて国内2カ所目で、開業はビル完成後の2017年夏の予定という。
コンラッド大阪は、高さ200メートル、地上41階建てのビルの33~40階に入る。客室数は164ある。全室が50平方メートル以上で、1室あたりの広さは国内最大級となる。宴会場やチャペル、フィットネスジムやプールを備える。
同ビルへのホテル進出をめぐっては、14年にロイヤルホテルと優先交渉権を結んだが、条件面で折り合いがつかず、15年7月に優先交渉期間が終わった。コンラッド進出決定で、ロイヤルホテルとの協議も終了した。
中之島フェスティバルタワー・ウエストは、フェスティバルホールなどが入る「中之島フェスティバルタワー」の西側に建つ。

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依田一義のエネルギー情報74

産業ガス大手岩谷産業が設置する東北第1号の商用水素ステーションが、仙台市宮城野区の県有地に整備されることが30日分かった。県が20年間、有料で貸し出す。FCV(燃料電池車)の関連事業を東日本大震災からの復興の重点事業と位置付ける県が、インフラ整備を後押しする。
県が貸し出すのは、宮城野区幸町4丁目にある県総合衛生学院跡地約1400平方メートル。交通量が多い市道沿いに位置し、県が29日に東北初となった公用車向けスマート水素ステーション(SHS)を開所させた県保健環境センターに近い。現在は隣接する県消防学校やセンターの臨時駐車場として使われている。4月7日、県と同社が土地の賃貸などに関する協定を結ぶ。
同社が県に支払う年間賃料は約400万円。同社は17年2月の商用水素ステーション完成を目指しており、整地費用を負担。県はステーション整備費の一部3億8000万円を助成する。両者は協定締結後、正式に契約を結ぶ。
水素で走るFCVは、走行時に二酸化炭素を出さない「究極のエコカー」と呼ばれる。県は関連事業を重点事業と位置付け、昨年4月に官民組織「みやぎFCV普及促進協議会」を設置した。
29日のSHS開所式で村井嘉浩知事は「商用水素ステーションができれば関東圏の観光客らが仙台で水素を充てんし、北東北まで行けるようになる。行政としてインフラ整備に協力したい」と話した。

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依田一義の不動産情報44

平和堂が大津市のJR大津駅東側にある大型商業施設「アル・プラザ大津」(大津市春日町)の土地・建物をオリックス不動産(東京)に売却することが30日分かった。
6月末で営業を終了する。2019年春に大型マンションになる見通しで、平和堂は1階にスーパー「フレンドマート」の出店を計画している。
1974年に平和堂大津店として開業した。建物の老朽化や周辺の集客力低下を受け、2014年に地上1階と地下1階の身の回り品と食品売り場を除き閉鎖していた。
土地面積は2670平方メートル。売却額は非公表。
平和堂は「消費行動の多様化で総合スーパーの必要性が薄れた。新たな食料品店を通じて地域の利便性を高めたい」(社長室秘書広報課)と話している。

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