依田一義のエネルギー情報121

ベアリング大手のNTNは、風力・水力発電装置事業に本格的に乗り出す。従来は部品供給にとどまっていたが、独自の軸受け技術を生かし、地域コミュニティーで使う小型の風車や水車に狙いを絞り、発電効率の高い発電装置をつくる。
同社初の商品として、太陽光と風力の2種の再生エネで発電する「ハイブリッド街路灯」を7月から売り出した。羽根の片側だけ厚みを持たせ、先端部を本体側に少し曲げることで気流の乱れを防ぎ、風力発電で課題になる風切り音がほぼ出なくなった。軸受けの改良で、風向きに関係なく羽根が回り、効率的に発電できる。公園や商業施設向けに売り込む。
NTNは自動車や産業機械に使うベアリングで世界大手。風力発電所の大型風車で使う主軸の軸受けでも世界大手を誇ってきた。だが電気自動車の普及が進むと、同社が手がけるドライブシャフトなどの部品が不要になる危機感があった。蓄積した軸受けの技術を生かし、発電装置そのものに取り組む。10年後に売上高500億円をめざす。(新田哲史)

株式会社Z-ONE

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