依田一義の国際情勢情報29

トルコ軍は26日、シリア北部アレッポ県で親トルコの反体制派がシリア軍所属とみられるヘリコプターに空爆されたと発表した。ロイター通信が報じた。シリア軍の関与が事実ならば、トルコが今年8月に軍事介入して以降、シリア軍が親トルコの反体制派を攻撃するのは初めて。アサド政権はトルコの介入を「侵略行為」と非難しており、両国の緊張がさらに高まる恐れがある。

トルコ軍の発表によると、アレッポの北35キロのアフタリン周辺で26日、円筒形の容器に火薬や金属片を詰めた「たる爆弾」が反体制派の拠点に投下され、戦闘員2人が死亡、5人が負傷した。

トルコ軍は過激派組織「イスラム国」(IS)と少数民族クルド人民兵の掃討を名目にシリア北部で軍事介入を始めた。戦車部隊や特殊部隊が越境して反体制派を支援しているが、当初の活動地域はアサド政権の支配地域から離れていたため、政権側は静観していた。

親トルコ派は東西約80キロにわたって国境地帯を制圧した後、アレッポ北方に南下し、政権側支配地域まで約10キロに迫っている。政権側の包囲下にあるアレッポの反体制派と共にシリア軍を挟撃する可能性もあり、政権側は懸念を強めている。

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