依田一義の経済情報57

国土交通省は31日、2016年に日本を訪れた外国人旅行者数が、年初から10月30日までの暦年で初めて2000万人を超えたと発表した。

政府が進めてきた観光ビザの発給要件緩和に加え、航空路線の新規就航や増便、クルーズ船の寄港増加などで、中国などアジア地域からの旅行者が大幅に増えた。政府は東京五輪・パラリンピックが開かれる20年に4000万人、30年に6000万人の目標を掲げている。

外国人旅行者数は、13年に大台の1000万人を突破し、昨年は1973万人と、ここ数年で急増している。訪日客の消費を経済活性化につなげようと、国や地方自治体がアジア各国を中心に訪日旅行のプロモーションを強化している。経済成長が著しいアジアでは、旅行意欲が旺盛な中間所得層が増えていることも追い風となっている。

株式会社Z-ONE

依田一義の不動産情報188

星野リゾート・リート投資法人の資産運用委託先である星野リゾート・アセットマネジメントは、2016年10月28日、大阪市のホテル「ハイアットリージェンシー大阪」を取得することを発表した。取得予定価格は160億円。取得予定日は2016年11月1日。

同時に、星野リゾートは同ホテルの経営法人であるGCP Hospitality Japanを100%子会社化。GCP Hospitality Japanをテナントに選定して資産を貸借し、同社が引き続きホテル運営をおこなう。

今回の物件取得は、長期的・安定的なキャッシュフロー確保が見込まれる物件に投資する星野リゾートの方針にもとづくもの。これにより、星野リゾートグループはスポンサーとして、ANAクラウンプラザ4物件、旭川グランドホテル等と同様に、ハイアットリージェンシー大阪の経営に関与可能となる。

ハイアットリージェンシー大阪の敷地面積は約3万480平方メートル。地下2階・地上28階建てで客室数は480室。所在地は大阪市交通局南港ポートタウン線中ふ頭駅より約250mに位置する。

株式会社Z-ONE

依田一義の不動産情報187

アットホームの調査によると、9月の首都圏における新築戸建て住宅の平均成約価格は3430万円(前年同月比4.6%上昇)で、11カ月連続で上昇した。全エリアで上昇しており、これは3カ月連続。前月比は2カ月連続で上昇した。東京23区の平均価格は4723万円(前年同月比5.1%上昇)と再び5000万円を割り込んだが、11カ月連続上昇。前月比は再び下落となった。神奈川県は前年同月比15カ月連続上昇、埼玉県は同10カ月連続上昇。千葉県では前年同月比4カ月連続の上昇、東京都下は同3カ月連続の上昇となった。

株式会社Z-ONE

依田一義の経済情報56

ゆうちょ銀行が2018年1月からコンビニエンスストア大手のファミリーマートの現金自動預払機(ATM)で、手数料を原則無料にすることが28日、分かった。ゆうちょ銀が自行以外のATMで手数料を無料にするのは初めて。

ゆうちょ銀の親会社の日本郵政グループは4月にファミマと金融、物流などでお互いの資産を活用し、提携すると発表していた。

ファミマは約1万8千の店舗を持つ。ゆうちょ銀はファミマのATM手数料を無料化し、顧客の利便性を高める狙いがある。一方、ファミマも無料化で集客効果を高めたい考えだ。

コンビニ大手は顧客とのつながりを増やすため、金融事業を強化している。セブン&アイ・ホールディングスはATMの台数を増やし、海外送金などサービス機能の充実化を図っている。ローソンも三菱東京UFJ銀行と提携し、18年に銀行業への参入を目指している。

株式会社Z-ONE

依田一義の国際情勢情報30

深刻な経済危機や治安悪化に直面する南米ベネズエラで26日、マドゥロ大統領の退陣を求める大規模なデモが全土であった。マドゥロ氏の罷免(ひめん)を求める国民投票の手続きを選管当局が急きょ延期したことから、野党勢力が抗議を呼びかけたもので、地元メディアは数十万人が参加したと報道。野党連合の民主統一会議(MUD)は「120万人が集まった」としている。

野党側は平和的なデモを呼びかけたが、政府は同国北部のミランダ州で「銃撃により警官1人が死亡した」と発表。一方、野党指導者のエンリケ・カプリレス氏は「各地で計120人以上のデモ参加者が負傷した」と明らかにした。地元NGOは200人以上が逮捕されたとしている。

MUDのトレアルバ事務局長は「国民投票の権利の侵害に抗議する」として、28日にストライキを行うよう全国民に呼びかけた。

株式会社Z-ONE

依田一義の経済情報55

英国立統計局(ONS)が発表した第3・四半期の英国内総生産(GDP)速報値は前期比、前年比ともに予想を上回る伸びを見せた。来週11月3日の英中銀金融政策委員会における追加利下げの可能性はさらに小さくなった。

伸び率は前期比で0.5%増と、ロイターのまとめたエコノミスト予想の0.3%を上回った。前年比での伸びは2.3%となり、これも予想の2.1%を上回った。

ONSのチーフエコノミスト、ジョー・グライス氏は「欧州連合(EU)離脱決定による即座の影響はほとんどみられない」と述べた。

イングランド銀行(英中央銀行、BOE)はこれまで、EU離脱決定により英経済は打撃を受けると警告し、離脱支持派から批判を受けていた。さらに9月には、第3・四半期速報値は0.2%増にとどまると予想していた。

予想を超える伸び率となったことについては、映画やテレビ制作、配信などを含むサービス業が寄与したとみられる。ONSは、7月に映画のヒット作が相次ぎ、興行収入が上向いたことが要因だと指摘した。

サービス業の8月単月での伸びは前月比0.2%だった。

鉱工業生産は、製造業が0.4%減、建設業が1.4%減。建設業の落ち込みは2012年第3・四半期以来の大きさだった。

株式会社Z-ONE

依田一義の経済情報54

欧州連合(EU)とカナダの包括的経済貿易協定(CETA)の承認を目指し国内調整を行なっていたベルギーが27日、事態打開に向け合意に達した。

CETAをめぐっては、EU全28カ国の政府が支持しているが、ベルギー南部のワロン地域が反対。ベルギー連邦政府は協定締結に賛成だが、正式に承認するには連邦を構成する地域の同意が必要で、EU全体の承認を阻んでいる状況だった。

ベルギーのミシェル首相は記者団に対し、地域の行政府首脳らが農民や政府の権利などに対する自らの懸念を軽減する補足条項を策定したと明らかにした。

ただCETAの調印には、カナダと他のEU諸国がこの補足条項を承認する必要がある。

カナダは「前向きな進展」とし、慎重ながらも歓迎する意向を表明。トゥスクEU大統領は「EUのCETA承認手続きがすべて完了してからトルドー加首相に連絡する」とし、双方とも問題が決着したとの見解はまだ示していない。

株式会社Z-ONE

依田一義の経済情報53

米労働省が公表した、22日終了週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比で3000件減って25万8000件となった。

労働市場の底堅さを示すとされる30万件を86週連続で下回り、期間は1970年以来の長さとなった。市場予想は25万5000件だった。

2週間以上手当てを受けている失業保険受給者件数(15日終了週)は、1万5000件減って204万件と、2000年6月以来の低水準だった。

受給者件数の4週平均も6250件減の205万件と、2000年7月以来の低水準を記録した。9─10月の家計調査期間中に6万4500件減少した。10月の失業率が、9月の5%から低下する可能性を示した。

株式会社Z-ONE

依田一義の経済情報52

総務省が28日公表した9月の全国消費者物価指数(除く生鮮、コアCPI)は前年比0.5%低下した。7カ月連続で下落し、マイナス幅は8月と同水準だった。

前年比でのエネルギー価格の下押しが小さくなりつつあるにもかかわらず、家電製品の価格下落や食品の上昇ペース鈍化で指数が浮上しない状態が続いている。安倍政権・日銀が掲げる2%の目標達成への道のりは遠い。

ガソリンや電気代のマイナス幅が縮小し、エネルギーの下落幅は前年比8.4%と8月の10.2%から縮小した。

一方、テレビが18.6%下落(8月は15.3%下落)、家庭用耐久財が6.8%下落(8月は5.2%下落)と、それぞれマイナス幅が拡大。物価を下支えしてきた加工食品(生鮮を除く食料)もプラス幅が0.8%と8月の1.1%から縮小した。

全国の先行指標とされる10月の東京都区部のコアCPIは前年比0.4%低下し、マイナス幅が9月より0.1ポイント縮小した。

株式会社Z-ONE