依田一義の国際情勢情報46

ロシア外務省は16日、プーチン大統領が署名した大統領令に基づいて国際刑事裁判所(ICC)から離脱すると表明した。

ロシア外務省はICCについて「真に独立した権限を持つ国際法廷になるという期待に応えられなかった」として効力のなさを批判。「設置されてから14年の間に10億ドル以上をかけてわずか4件の判決しか言い渡さなかった」と指摘した。

さらに隣国グルジアとの間で2008年に起きた紛争への対応も批判して、「このような状況でICCを信頼することは到底できない」とした。

ICCはこれに先立つ14日に発表した報告書で、ロシアによるウクライナのクリミア半島併合について「事実上の占領状態」に該当するとの判断を示した。

さらにフランスのオランド大統領は先月、ロシアがシリアで戦争犯罪を犯していると述べ、ICCで罪を問う必要があると発言していた。

ICCの広報はロシアの離脱表明について、「各国の主権を尊重する」としている。

ロシアの法務情報局によると、同国はICCの設置を定めた「ローマ規定」に2000年に署名したが、批准はしていなかった。ローマ規定は123カ国が批准している。

米国もかつて同規定に調印したが、ブッシュ政権下の2002年、国連に対して批准する意図がないことを伝えていた。

株式会社Z-ONE

依田一義の不動産情報198

不動産仲介の三好不動産(福岡市)は16日、高齢者向け住居施設の運営事業に参入すると発表した。

熊本県合志市でサービス付き高齢者住宅(サ高住)「スリースマイル秋桜」を建設し、28日に開業する。総投資額は約3億円。平屋で22部屋あり、建築面積は1400平方メートル。グループ会社のサンコーライフサポート(福岡市)が運営管理する。施設の一部は有料で入居者以外に開放し、料理教室やダンス教室などに活用してもらう予定。

三好不動産は、不動産オーナーに対する不動産管理などの仲介業を主事業にしているが、「スリースマイル」ブランドでのサ高住事業の拡大も検討する

株式会社Z-ONE

依田一義の不動産開発情報109

大阪市北区のJR西日本の本社の近くに、客室数約400のホテルが建つことになった。2018年春の営業開始を予定する。事業主のJR西が16日、発表した。周辺は宿泊施設が多いうえ、新規建設の計画も次々と出ており、さらに競争が激しくなりそうだ。

新ホテルは地上8階建てで、延べ床面積は約1万4千平方メートル。約400室の客室のほか、レストランも入る中堅規模のホテルだ。名称や価格設定は今後、決めるという。建設地は、JR西が運営し、宿泊施設などが入っていた「大阪弥生会館」が昨年9月まで営業していた場所だ。JR大阪駅や私鉄の梅田駅からも徒歩圏内で、利便性が高い。

JR西は大阪駅に直結するホテルグランヴィア大阪も運営する。客室は約700あり、宴会場やレストランも入る。一方で新しいホテルは宿泊特化型ホテルとし、ゆったりした客室をアピールする。

ただ、近くには大阪新阪急ホテルやインターコンチネンタルホテル大阪など、大型のホテルが複数ある。家電量販のヨドバシカメラも、大阪市内で最大規模となる約1千室のホテルを19年冬にも開業する計画だ。

それでも、JR西の来島達夫社長は16日の記者会見で、「ビジネス、観光、訪日外国人客と宿泊ニーズは相当高い」と述べ、勝ち残りに自信をみせた。

株式会社Z-ONE

依田一義の不動産開発情報108

名古屋鉄道は、中部空港に隣接する「セントレアホテル」に新しい棟を造り、2018年秋に開くと発表した。新棟は年間の利用者約7万人、売り上げ約6億5千万円を見込む。地上11階建てで約150室。現在の棟は221室を備え、そのとなりに建てる。

中部空港島では19年、格安航空会社専用のターミナルや大規模展示場が新設される。ホテルの需要が増えると見込まれており、17年春には東京の会社がカプセルホテルを開く予定だ。

株式会社Z-ONE

依田一義の海外不動産情報23

ロンドン中心部の一等地の地価が9月末までの1年間に10.3%下落した。増税と欧州連合(EU)離脱選択で高級住宅が値下がりしたことが響き、少なくとも5年で最大の下落率となった。
.

土地購入と建設費用の融資を銀行が渋っていることも地価下落を悪化させていると、仲介業者のナイト・フランクが16日のリポートで指摘した。開発業者も将来の住宅価格下落に備えて利幅を厚くしておく必要があるため、用地取得に高額を支払いたがらないとも分析した。
.

ナイト・フランクの住宅開発共同責任者、ジャスティン・ゲーズ氏は電子メールで「建設業者は今の政治的な不透明感で背負うリスクが高まっているため、利幅を大きくしようとしている」と説明した。ロンドン中心部以外での「新しい住宅の需要は強い」という。

株式会社Z-ONE

依田一義の経済情報72

10月の米鉱工業生産統計では製造業生産を示す指数が前月比で上昇した。製造業の伸びは2カ月連続。前年同月比では4カ月連続マイナス。
.

米連邦準備制度理事会(FRB)の16日発表によると、10月の製造業生産指数は前月比0.2%上昇、伸び率は前月と同じだった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.3%上昇だった。温暖な気候で公益事業部門の生産が落ち込み、全体の鉱工業生産指数(製造業、鉱業、公益事業の生産を対象、季節調整値)は10月に前月比変わらずとなった。
.

4キャストのシニアエコノミスト、デービッド・スローン氏は「製造業が停滞していると懸念していたが、ある程度の成長を取り戻している。製造業の見通しは緩やかに改善されている」と述べた。
.

前月の全体の鉱工業生産指数は前月比0.2%低下と、速報値の0.1%上昇から下方修正された。エコノミスト予想では10月は0.2%上昇が見込まれていた。
.

公益事業生産は2.6%低下、前月は3%の落ち込みだった。鉱業は2.1%上昇と、2014年3月以来の大幅な伸び。石炭生産の拡大を反映した。石油・ガス掘削は9%上昇と、2010年1月以来で最大の伸びだった。
.

鉱工業設備稼働率は75.3%と、前月の75.4%を下回った。
.

製造業のうち自動車・同部品の生産は0.9%上昇。自動車・部品を除く製造業の生産は前月比で0.1%上昇(前月0.2%上昇)した。

株式会社Z-ONE

依田一義の海外不動産情報22

全米住宅建設業者協会(NAHB)が発表した11月のNAHB/ウエルズ・ファーゴ住宅建設業者指数は63と、前月から変わらずで、市場予想と一致した。

現在の一戸建て販売に関する指数は前月から変わらずの69。

潜在的な住宅購入者に関する指数が47と、前月の46から上昇した。

一方、今後半年の販売見通しに関する指数は71から69に低下した。

株式会社Z-ONE

依田一義の海外不動産情報21

熊谷組が台湾・台北市で建設中の超高級マンション「陶朱隠園(タオヂュインユェン)」の上棟式が16日、現地で行われた。DNAの二重らせん構造のような外観をした建物は地下5階地上21階建てで、複雑な構造に対応するため最先端で高度な施工技術が随所に盛り込まれた。

熊谷組は台湾を中心として香港、ミャンマー、ベトナムで海外事業を展開している。上棟式の終了後、樋口靖社長は「難しい技術に取り組んだことは海外戦略を推進する上で役に立った」と話した。今回のプロジェクトを機にブランド力をさらに高め、アジアでの攻勢を強める。

施工を担当するのは熊谷組の全額出資子会社、華熊営造(台北市)。マンションの基礎部には免震システムを導入。フロアごとに4、5度ずつ回転し、上層階に連なっていく。ねじれた形状の建物は1フロア当たり2戸で構成され、奇数階は柱のない空間として眺望性を大幅に高めた。

居住部やエレベーターなどの共用部、地下に設置された5台分の駐車スペースを含めた1戸当たりの購入面積は約1000平方メートル。多機能エレベーターが設置され、愛車を玄関先まで乗り付けることができる。緊急時には、救急車が玄関先まで向かうことが可能だ。

また、環境負荷の低減を考慮した設計を随所に施した。具体的には、バルコニーに庭園を配置して都市環境に配慮したほか、建物一体型の太陽光発電を設置。雨水のリサイクルも行う。

発注者のデベロッパー、中華工程を傘下に収める大手企業グループ、威京總部(ウェイチンゾンプー)集団の沈慶京主席は「販売活動を行っていないため、価格はまだ決まっていない」としているが、現地メディアによると内装工事を除いた1戸当たりの価格は50億~60億円に達するという。

台湾は高級マンションの転売を抑制するため、ぜいたく税を導入。高級市場は冷え込んでいるが、今回の物件は市況に左右されない行動を起こす、台湾をはじめとした世界各国の超富裕層の間で人気を集めそうだ。

株式会社Z-ONE

依田一義の不動産開発情報107

東京建物による「FUNDES(ファンデス)神保町」が11月21日(月)に開業する。東京メトロ半蔵門線、都営三田線、都営新宿線「神保町」駅にて開発を進めていた都市型コンパクト商業施設の第2弾となる。こだわりの料理、空間、エンタテインメントが楽しめる店舗が出店する。

株式会社Z-ONE

依田一義の不動産情報197

CBREは11月16日、日本の投資市場動向(16年第3四半期)を発表した。それによると、事業用不動産の取引額(10億円以上の取引)は7860億円で、前年同期比18・5%減少した。15年第3四半期以降、5期連続で前年を下回った。国内の資金調達環境は良好で、投資意欲も引き続き高いものの、売却案件が限定的であることが主因という。

株式会社Z-ONE