依田一義の海外不動産情報23

ロンドン中心部の一等地の地価が9月末までの1年間に10.3%下落した。増税と欧州連合(EU)離脱選択で高級住宅が値下がりしたことが響き、少なくとも5年で最大の下落率となった。
.

土地購入と建設費用の融資を銀行が渋っていることも地価下落を悪化させていると、仲介業者のナイト・フランクが16日のリポートで指摘した。開発業者も将来の住宅価格下落に備えて利幅を厚くしておく必要があるため、用地取得に高額を支払いたがらないとも分析した。
.

ナイト・フランクの住宅開発共同責任者、ジャスティン・ゲーズ氏は電子メールで「建設業者は今の政治的な不透明感で背負うリスクが高まっているため、利幅を大きくしようとしている」と説明した。ロンドン中心部以外での「新しい住宅の需要は強い」という。

株式会社Z-ONE

依田一義の海外不動産情報22

全米住宅建設業者協会(NAHB)が発表した11月のNAHB/ウエルズ・ファーゴ住宅建設業者指数は63と、前月から変わらずで、市場予想と一致した。

現在の一戸建て販売に関する指数は前月から変わらずの69。

潜在的な住宅購入者に関する指数が47と、前月の46から上昇した。

一方、今後半年の販売見通しに関する指数は71から69に低下した。

株式会社Z-ONE

依田一義の海外不動産情報21

熊谷組が台湾・台北市で建設中の超高級マンション「陶朱隠園(タオヂュインユェン)」の上棟式が16日、現地で行われた。DNAの二重らせん構造のような外観をした建物は地下5階地上21階建てで、複雑な構造に対応するため最先端で高度な施工技術が随所に盛り込まれた。

熊谷組は台湾を中心として香港、ミャンマー、ベトナムで海外事業を展開している。上棟式の終了後、樋口靖社長は「難しい技術に取り組んだことは海外戦略を推進する上で役に立った」と話した。今回のプロジェクトを機にブランド力をさらに高め、アジアでの攻勢を強める。

施工を担当するのは熊谷組の全額出資子会社、華熊営造(台北市)。マンションの基礎部には免震システムを導入。フロアごとに4、5度ずつ回転し、上層階に連なっていく。ねじれた形状の建物は1フロア当たり2戸で構成され、奇数階は柱のない空間として眺望性を大幅に高めた。

居住部やエレベーターなどの共用部、地下に設置された5台分の駐車スペースを含めた1戸当たりの購入面積は約1000平方メートル。多機能エレベーターが設置され、愛車を玄関先まで乗り付けることができる。緊急時には、救急車が玄関先まで向かうことが可能だ。

また、環境負荷の低減を考慮した設計を随所に施した。具体的には、バルコニーに庭園を配置して都市環境に配慮したほか、建物一体型の太陽光発電を設置。雨水のリサイクルも行う。

発注者のデベロッパー、中華工程を傘下に収める大手企業グループ、威京總部(ウェイチンゾンプー)集団の沈慶京主席は「販売活動を行っていないため、価格はまだ決まっていない」としているが、現地メディアによると内装工事を除いた1戸当たりの価格は50億~60億円に達するという。

台湾は高級マンションの転売を抑制するため、ぜいたく税を導入。高級市場は冷え込んでいるが、今回の物件は市況に左右されない行動を起こす、台湾をはじめとした世界各国の超富裕層の間で人気を集めそうだ。

株式会社Z-ONE

依田一義の海外不動産情報20

中国国家統統計局のデータを基にロイターが算出した10月の不動産投資は、前年同月比13.4%増と前月の7.8%から加速し、2014年4月以来の大幅な伸びとなった。

1─10月の不動産投資は前年比6.6%増加した。1─9月は5.8%増だった。

中国当局は住宅ローンの頭金を引き上げ、2軒目の住宅購入を禁止したほか、不動産開発業者の起債条件を厳格化した。だが今回のデータで、不動産開発業者がこうした措置の影響をほとんど受けていないことが明らかになった。

ロイターの推計によると、10月の不動産販売(床面積ベース)は前年比26.4%増加したが9月の34%増からは減速した。1─10月は前年比26.8%増で1─9月の26.9%増からわずかに鈍化した。

10月の新築着工(床面積ベース)は前年比19.9%増加した。在庫(同)は1.3%増、9月は4.7%増だった。

株式会社Z-ONE

依田一義の海外不動産情報19

三井不動産と現地企業の共同設立による合弁会社が、「三井アウトレットパーク クアラルンプール国際空港 セパン」の第2期開発に着手した。店舗数は現在の約130店舗から190店舗へと拡大。店舗数で東南アジア最大級のアウトレットモールとなる。開業は18年1月の予定。

株式会社Z-ONE

依田一義の海外不動産情報18

JLLがこのほど発表した投資分析レポートによると、世界の商業用不動産投資額(2016年第3四半期)は1650億ドルで前年同期比4%減少した。1~9月の投資額は4540億ドル(前年同期比8%減)。通年では6100億~6300億ドル(同10%減)となる見通し。

株式会社Z-ONE

依田一義の海外不動産情報17

英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)が公表した調査によると、10月のRICS住宅価格(「上昇」との回答から「下落」との回答を引いた数値」)はプラス23と4月以来の高水準を記録した。

ロイターがまとめたエコノミスト予想の平均を4ポイント上回った。9月はプラス18へ上方改定された。

RICSによると、需要が緩やかに伸びる一方で、市場に供給される住宅の数がわずかながら一段と減少した。

RICSの首席エコノミスト、サイモン・ルービンソーン氏は「英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる懸念にもかかわらず、全国的に深刻な住宅不足が引き続き価格を押し上げている」と分析した。

今後3カ月の住宅価格は、ロンドンを除く大半の地域で小幅上昇するとの見方が示された。ロンドンは8カ月連続で下落しており、特に中心部で下げが顕著となっている。

株式会社Z-ONE

依田一義の海外不動産情報16

マレーシアへの不動産投資は、世界で最も費用対効果が高い-。こんな見方を英不動産コンサルティング大手ナイト・フランクが示した。マレーシアの不動産市場が比較的安定していることに加え、同国政府が都市インフラ整備を加速し、都市機能が高まっていることなどが要因だ。現地紙ニュー・ストレーツ・タイムズなどが報じた。

ナイト・フランクが世界30カ国・地域を対象とした調査報告書「グローバル・シティズ2017年版」によると、マレーシアの首都クアラルンプールでは総面積約3万6200平方メートルの高級オフィスビル1棟が1億ドル(約104億円)で購入できる。さらに、都市鉄道の整備が進み利便性が良くなっていることも、アジア太平洋域内の他の都市と比べて優位性を高めていると同社のマレーシア担当者はみている。

首都圏への外国企業誘致を推進する政府機関インベストKLは、クアラルンプールが域内でコスト競争力の面などにより多くの外国企業から東南アジアの拠点に選ばれていると指摘する。同機関は2015年までに51の外国企業を誘致、総投資額は59億リンギット(約1477億円)に上る。

株式会社Z-ONE

依田一義の海外不動産情報15

中国深セン市は、住宅価格の高騰を抑制するため、頭金引き上げなどを含む新たな措置を導入した。新華社が4日、政府文書を基に報じた。

報道によると、初回の住宅購入者については、過去に住宅ローンの記録がない場合は頭金30%以上、住宅ローン記録はあるが住宅を保有してない場合は頭金50%以上の支払いを義務付けた。

2軒目の購入は、頭金が70%以上に引き上げられた。

国内メディアによると、江蘇省の蘇州も頭金の引き上げなど新たな措置を導入した。

株式会社Z-ONE

依田一義の海外不動産情報14

米ゴールドマン・サックス・グループは、中国の不動産市場見通しについて警鐘を鳴らしている。同業界全体の脆弱(ぜいじゃく)性が増し価格が下落すれば、特に鉄鉱石と鉄鋼などの金属が困難な状況に陥ると予想している。
.

ゴールドマンは商品リポートで「中国の不動産市場で脆弱性が増している。政策主導の住宅ブームは、後に投資資金回収の影響で低迷する傾向がある」と指摘した。
.

アジア最大の経済国である中国の政策当局者らが今年先に、経済成長てこ入れに向け融資を増やしたため、全国の都市の不動産販売は増加し、価格は上昇した。不動産市場の活動の活発化などにより金属価格の上昇が下支えされている。金属6種で構成するLMEX指数は先週、強気相場入りした。金属価格上昇は鉄鉱石値上がりの支援材料にもなっている。
.

ゴールドマンは4日発表した文書「中国の住宅市場:良いニュースが悪いニュースになる時」で「当行の分析では金属価格にとってのリスクが示唆されている」と説明。「住宅は耐久消費財であり減価償却ペースが非常に遅いため、需要が急減する際には過剰建設と過剰在庫が下落を悪化させる」との見方を示した。

株式会社Z-ONE