依田一義の経済情報62

マークイットが発表した10月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は53.5と、速報値の53.3から上方改定され、2014年1月以来の高水準となった。

50が景気の拡大・悪化の分かれ目となる。物価上昇圧力が高まっていることも浮き彫りとなった。

9月は52.6だった。

内訳では、生産指数が54.6と、前月の53.8から上昇。2014年4月以来の高水準だった。

IHSマークイットのシニアエコノミスト、ロブ・ドブソン氏は「第4・四半期は好スタートを切った。特に、広範な分野で成長が加速していることがうかがえるのは喜ばしい」と述べた。

新規受注指数は2年半ぶりの高水準。

産出価格は16カ月ぶり高水準の50.8と、昨年8月以降初めて50を上回った。前月は49.9だった。

調査会社キャピタル・エコノミクスのスティーブン・ブラウン氏は「物価圧力がやや高まった。これがコアインフレの持続的な高まりに十分かどうかが問題だ。ECBも歓迎する数字だが、一段の緩和策を押しとどめるに十分ではないと考えている」と述べた。

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依田一義の経済情報60

財新/マークイットが発表した10月の中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は52.4で、前月の52.0から上昇し、6月以来、4カ月ぶりの高水準となった。新規事業の回復が雇用の拡大につながった。

製造業とサービス部門をあわせた総合PMIは51.4から52.9に上昇し、3年超ぶり高水準となった。

エコノミストは、政府の継続的な政策が企業の景況感を支えていると指摘した。

財新の中国PMIは通常、午前9時45分(日本時間午前10時45分)に発表されるが、今回は午前9時に発表された。

10月のサービス部門PMIは、先に中国国家統計局が発表した製造業および非製造業PMIと同様、中国経済が安定感を増していることを示した。

PMIの構成項目は、サービスを提供する価格を除くすべてが前月から改善。新規事業は6月以降で最も高い伸びを記録。一部企業は、市場環境の改善に伴う需要回復を挙げた。

景況拡大と悪化の節目である50を4カ月にわたり下回っていた受注残も、節目を越えた。受注の増加に生産が追いつかないと指摘する企業もあるという。

雇用は2カ月連続で拡大し、1月以来の高水準。事業の見通しも前月から改善したが、6カ月ぶり高水準だった8月は若干下回った。

価格は、競争激化の影響が出た。大半の企業がコストのごく一部しか転嫁できていないと回答したという。

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依田一義の経済情報44

マークイットが発表した10月の米サービス購買担当者景気指数(PMI)速報値は54.8と、昨年11月以来の高水準を記録した。

市場予想、9月改定値ともに52.3だった。

製造業とサービス業の指数を加重平均した、総合PMI速報値も54.9と、昨年11月以来の高水準を記録した。9月は52.3だった。

サービス部門の新規事業は53.8と、昨年11月以来の高水準を記録した

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依田一義の経済情報41

マークイットが発表した10月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は53.2となり、前月の51.5から上昇した。予想の51.5も上回り、2015年10月以来の高水準を付けた。

同指数は50が景気拡大と悪化の分岐点となる。

生産指数は55.3と、前月の52.5から上昇。新規受注指数は54.7と、前月の51.1から上昇した。景気指数と同様、ともに2015年10月以来の高水準となる。

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依田一義の経済情報12

マークイットとCIPSが5日発表した9月の英サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は52.6で、予想の52.0を上回った。8月の52.9から小幅な低下にとどまった。

3日に発表された製造業PMIに続いて予想を上回り、あらためて来月の追加利下げの必要性が疑問視される数字となった。

IHSマークイットのチーフ・ビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「9月のPMIは堅調で、追加利下げの必要性に疑問を投げかけることになるだろう」と述べた。

マークイットは、今年後半に英経済がリセッションに陥る可能性は「ほぼ消えた」としている。

ただウィリアムソン氏は、欧州連合(EU)離脱の将来的な影響に対する懸念は依然残っていると指摘。対ドルでポンドを31年ぶり低水準に押し下げた投資家の懸念と同様の見方を示した。

その上で「英経済はさらなる後退に対して依然脆弱で、年末にかけ政策面で行動が必要になる可能性は否定できない」と述べた。

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依田一義の経済情報11

マークイットが発表した9月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は52.6と、2015年1月以来の低水準となった。速報値からは変わらず。

前月は52.9だった。

2013年半ば以降、景気判断の分かれ目となる50を上回る状況は続いているが、IHSマークイットの首席ビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「勢いが弱まっているというサインが示された」と指摘した。

「ユーロ圏の4大経済大国のうち、勢いが増している兆しがあるのはフランスのみで、ドイツ、イタリア、スペインでは成長が鈍化傾向にある」という。

一方、産出価格指数は50.0となり、2015年9月以来の高水準。速報値は50.1だった。同指数は過去5年間、概ね50を割り込んでいる。8月は49.3だった。

9月のユーロ圏サービス部門PMI改定値は52.2。速報値の52.1からはやや引き上げられたものの、2014年12月以来の低水準となった。8月は52.8だった。

サービス部門の雇用指数は52.0と、8月の52.4から低下し、5カ月ぶり低水準に落ち込んだ。速報値は51.8だった。

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依田一義の経済情報⑨

マークイット/CIPSが発表した9月の英建設業購買担当者景気指数(PMI)は52.3と、前月の49.2から上昇した。5月以来初めて景況の拡大・悪化の分岐点とされる50を上回った。

住宅建設が回復し、新規受注も持ち直した。過去3年の平均である約60は下回った。市場は49.0への低下を予想していた。

IHSマークイットのエコノミスト、ティム・ムーア氏は「新規受注が3月以来の大幅増となったことで、建設企業の短期見通しは楽観的」と指摘した。一方、「2016年初めと比べて同セクターが引き続き伸び悩んでいる」との見方を示し、投資の低迷とポンド安に伴う原材料の高騰を原因として挙げた。

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