依田一義のエネルギー情報156

石油資源開発(JAPEX)と三井物産が共同で設立した福島ガス発電は11日、福島県の相馬港で計画する天然ガス火力発電事業の事業化を決め、新たに大阪ガス、三菱ガス化学、北海道電力の3社が参画すると発表した。電力自由化に伴う首都圏向けの電源を確保し、福島の復興に貢献する。3社が福島ガス発電の増資を引き受ける。出資後の持ち株比率はJAPEXが33%、三井物産が29%、大ガスが20%、三菱ガス化学と北海道電がそれぞれ9%。建設地はJAPEXが相馬港で建設中の相馬LNG基地の隣接地。総事業費は1000億円超の見込み。

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依田一義の不動産開発情報93

三井物産と東京建物は4日、シンガポールの複合オフィスビル再開発事業に参画すると発表した。同国の大手不動産開発、アセンダス・シンブリッジ・グループと合弁会社を設立し、金融機関などが集積する「タンジョンパガー」地区でビルを解体し、商業施設も含む地上約30階の複合オフィスビルを2020年に竣工(しゅんこう)する予定。総事業費約750億円。

合弁会社の資本金は約280億円で、アセンダスが65%、三井物産が20%、東京建物が15%出資する。

「タンジョンパガー」地区では近年、再開発が加速している。新たなビルは地下鉄の「タンジョンパガー」駅に直結するほか、近くに新線の駅も計画されている。

三井物産はアセンダス・シンブリッジとシンガポールで別のオフィスビル開発を手掛けているほか、マレーシアでも賃貸用倉庫・工場開発事業に参画している

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依田一義の不動産開発情報37

三井物産と三井不動産は8日、東京都千代田区に両社が所有する3棟のビルを一体的に建て替える総延べ床面積約36万平方メートルの大規模再開発事業「(仮称)OH-1計画」の起工式を行い、概要を発表した。

大手町1丁目2番地区に約6000平方メートルの大規模緑地を設ける計画で、2棟のオフィスビルを中心に皇居の水と緑や将門塚とも連なる。

オフィスビルは地下5階地上31階建て(高さ約160メートル)のA棟と地下5階地上39階建て(高さ約200メートル)のB棟で、三井物産は東京五輪・パラリンピック開催の2020年の2月末の竣工(しゅんこう)後にA棟に本社を移転する。B棟の高層階には高級ホテルを誘致する。多目的ホールや飲食店、物販店舗なども整備する。

同日の起工祝賀会で三井物産の安永竜夫社長は「東京の都市力向上に貢献したい」とあいさつし、三井不動産の菰田正信社長は「皇居に近い恵まれた立地を生かした街づくりや防災機能も高めたい」と話した。災害時の帰宅困難者の一時滞在施設(約2400人)や約2万2000食の食料など防災備蓄倉庫なども整備する計画。

三井物産本社といえば人工池で生まれたカルガモの親子が道路を渡り皇居お堀に「お引っ越し」する姿が話題だった。「かるがも池」の名称が復活するかは未定だが人工池は拡張する見通し。

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