依田一義の海外不動産情報20

中国国家統統計局のデータを基にロイターが算出した10月の不動産投資は、前年同月比13.4%増と前月の7.8%から加速し、2014年4月以来の大幅な伸びとなった。

1─10月の不動産投資は前年比6.6%増加した。1─9月は5.8%増だった。

中国当局は住宅ローンの頭金を引き上げ、2軒目の住宅購入を禁止したほか、不動産開発業者の起債条件を厳格化した。だが今回のデータで、不動産開発業者がこうした措置の影響をほとんど受けていないことが明らかになった。

ロイターの推計によると、10月の不動産販売(床面積ベース)は前年比26.4%増加したが9月の34%増からは減速した。1─10月は前年比26.8%増で1─9月の26.9%増からわずかに鈍化した。

10月の新築着工(床面積ベース)は前年比19.9%増加した。在庫(同)は1.3%増、9月は4.7%増だった。

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依田一義の海外不動産情報16

マレーシアへの不動産投資は、世界で最も費用対効果が高い-。こんな見方を英不動産コンサルティング大手ナイト・フランクが示した。マレーシアの不動産市場が比較的安定していることに加え、同国政府が都市インフラ整備を加速し、都市機能が高まっていることなどが要因だ。現地紙ニュー・ストレーツ・タイムズなどが報じた。

ナイト・フランクが世界30カ国・地域を対象とした調査報告書「グローバル・シティズ2017年版」によると、マレーシアの首都クアラルンプールでは総面積約3万6200平方メートルの高級オフィスビル1棟が1億ドル(約104億円)で購入できる。さらに、都市鉄道の整備が進み利便性が良くなっていることも、アジア太平洋域内の他の都市と比べて優位性を高めていると同社のマレーシア担当者はみている。

首都圏への外国企業誘致を推進する政府機関インベストKLは、クアラルンプールが域内でコスト競争力の面などにより多くの外国企業から東南アジアの拠点に選ばれていると指摘する。同機関は2015年までに51の外国企業を誘致、総投資額は59億リンギット(約1477億円)に上る。

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依田一義の不動産情報124

不動産投資に関心のある投資家やオーナーにとって、空室率の上昇や賃料の下落、物件の利回り低下は気になるものです。不動産市況が変わるなかで、賃貸管理の煩わしさを避けるため家賃保証のサブリースを選択することも可能です。サブリースを選択したオーナーは、中長期で経営戦略の見直しを迫られることもあるでしょう。ここでは、家賃保証の仕組みをおさらいします。

■「安心の一括借り上げ」などのうたい文句だが

サブリース契約とは、賃貸事業者がオーナーから建物あるいは部屋を転貸するために借り受けて、これを第三者に転貸することをいいます。ハウスメーカーやワンルームマンション販売会社などが受注を増加させる目的で、政策的に導入されました。このサブリースには、オーナーのメリットとして次の2点が挙げられます。

1. 空室にかかわらず、家賃が入る(空室リスクが少ない)
2. 苦情・トラブル対応が不要でオーナーは当事者にならない

一般的に「安心の一括借り上げ」「空室保証」「一括管理で手間要らず」などのうたい文句で宣伝している契約は、1棟貸しで定額のサブリース賃料が定められているタイプです。

賃料の定め方は、借上賃料を一定の額に定めるものや(これを保証賃料と呼ぶこともあります)、転貸賃料合計の何%と割合を定めるものもあります。今回は、サブリース=家賃保証としてみていきましょう。

■賃料減額などの事態も想定している

オーナーがサブリース業者から受け取る賃料は、直接第三者に賃貸した場合よりも当然、低くなります。例えば家賃保証を通常設定家賃の85%にした場合、この差額がサブリース業者の利益になるわけです。それでも、オーナーにとっては空室などのリスクを避けられ、管理の煩わしさから解消されるならば、メリットだと受け止められています。

しかし、契約後にサブリース賃料が減額されてしまったり、サブリース業者が倒産してしまったりして、計画どおりに進まないこともあります。この場合、オーナーが建物建築や購入のために多額の借り入れをしているケースでは、深刻なトラブルに見舞われることとなります。

■サブリース検討の3つのポイント

専門家によると、サブリースを検討する場合、以下のポイントをチェックすべきだと指摘しています。

1. 期間(契約、免責)
2. 費用(契約賃料、原状回復・修復にかかる費用)
3. 契約更新

契約期間、賃料で注意したいのは、2年毎に家賃交渉があり、「周りの家賃相場が下がっている」などの理由で賃料が減額される可能性があることです。さらに契約更新についても、一般的にサブリース会社側が拒否できる仕組みになっています。このため、賃料減額を拒否したら契約を打ち切られたという相談も、国民生活センターなどに寄せられています。

さらに、契約から60日間などの免責期間がある場合、その期間の家賃は受け取ることができないこと、契約はあくまで家賃のみの保証で修繕費、水道、電気、共用部の清掃、管球などの費用は別途請求されるということにも注意が必要です。また、原状回復などは会社側の指定業者でなければならず、工事費が相場より高くなる場合もあります。

敷金、礼金、更新料などは、オーナーが受け取れないことも承知しておいた方がいいでしょう。

■デメリットを確認し契約チェックを

通常の不動産取引の際には、こうした重要事項説明が義務付けられているはずなのに、デメリットが説明されないまま契約が成立してしまうケースもあります。

これは、サブリース契約を結ぶオーナーが消費者ではなく事業者であるとされているので、消費者保護が十分に適用されていないためとみられています。

サブリース契約は、すべて「お任せ」で経営の負担が減りますが、逆にいえば賃貸経営のノウハウから切り離されることにもなりますので、よく考えて利用したいところです。オーナー側が過度に期待することで思わぬ事態を招くこともあり、契約の際にはチェックポイントなどを詳細に検討すべきでしょう。


 

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依田一義の不動産情報25

短期譲渡所得、長期譲渡所得

本日は不動産投資においてとかく見落としがちな税金の話をしようと思います。
固都税や不動産取得税には注意を払っている人もおられると思いますが、あまり知られていないのが譲渡所得に掛かる税金です。
この税金の仕組みを理解していないと、思わぬ損をすることにもなりかねません。皆さんがそのような目に遭わないために、この譲渡所得に掛かる税金に関してご説明したいと思います。
譲渡所得とは、不動産を売却した際に購入時の価格より高く売れた場合に掛かる税金です。
この譲渡所得には短期と長期の2種類があります。長期譲渡所得と短期譲渡所得の特徴は以下のようになります。

短期譲渡所得
1.不動産の所有期間が5年以下で売却した場合
2.約40%

長期譲渡所得
1.不動産を5年を超えて所有した後に売却した場合
2.約20%

このように、短期と長期とでは税率にして20%もの違いが生じるのです。

これって大きくないですか?

1000万円で買った物件が1200万円で売れたとしましょう。譲渡所得は200万円ですので、短期譲渡だと80万円納めなければなりませんが、長期譲渡だと40万円で済むことになり、税額に40万円もの差が生じます。

所有期間の数え方にも注意が必要です。

売却した年の1月1日現在において、所有期間が5年以下か5年超かを判断します。

2011年5月31日に購入した物件を2016年6月1日に売却したら、実際の所有期間は5年と1日となり一見長期譲渡に分類されるようにも思えます。しかし2016年1月1日において判断をするので、この物件は短期譲渡ということになります。
このように少々面倒な数え方をするので、不安な人は「丸6年で長期譲渡になる」と考えても良いかもしれませんね。
短期・長期譲渡所得の税額の差は、不動産投資における出口戦略を練る判断材料の1つとしては大きいですが、それにとらわれ過ぎて売り時を逃すということも考えられます。
不動産の売却の際には、あらゆる要因を検討して総合的に判断することが求められるということですね。

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ワンルームマンションの不動産投資で失敗しない8つのポイント

1.エントランスの雰囲気・セキュリティが重要

まずは共用部。共用部で一番重要なのはエントランスの雰囲気だ。エントランスがゴージャスになっているだけでも、入居者を案内した時に、かなり好印象を持ってもらうことができる。見るべきポイントは床と壁の仕上げ材で、最も高級感があるのが石の仕上げで、次がタイルだ。物件を購入する際、専有部は見られなくても共用部は見られるため、エントランスの雰囲気は是非、実査で確認することをお勧めします。

その他、エントランスでは、セキュリティも重要な要素のため、できればオートロック物件を選んだ方が良い。建物スペックでオートロックが謳えないと、途端に入居の反応が鈍るため、オートロックは外せない機能と言って良いだろう。風除室を設けている物件であれば、できれば外側に面したドアも自動扉の物件が望ましい。宅配ボックスの有無もチェックしたいところだ。

2.バイク置場は希少性が高い

また共用部においては、バイク置場の有無もチェックしたい。単身世帯ではバイクを置きたいというニーズは高く、バイク置場がある物件は入居率も高い。駐輪場は条例で設置が義務付けられているケースがほとんどであるが、バイク置場は基本、義務付けられないため、バイク置場のある物件は希少性が高いのだ。

3.共用廊下…内廊下は高ポイント!

さらにマンションの廊下が内廊下の物件はかなりポイントが高い。1997年以降は建築基準法の法改正により、共同住宅の廊下部分が容積対象から不算入になったことにより内廊下の物件も増えてきた。内廊下の物件で共用廊下がホテルライクに仕上がっていれば、なお良い物件と言える。ただし、内廊下については、そもそも物件数も少ないため、優先順位としては下げても良いポイントだ。

4.専有部の形

次に専有部を見てみよう。専有部の見るべきポイントは、部屋の形だ。ワンルームマンションは面積が狭いため、部屋の形が悪いと、ベッドを置いただけでデッドスペースが生じてしまう。特に斜めの壁があるような部屋は、入居者募集に苦労するため避けるべきであろう。できるだけ、すっきりとした整形な部屋を選ぶべきである。

整形な専有部に加えて、重要なのが専有部の間口だ。ワンルームマンションの場合、羊羹切りと言われる長方形のタイプの形が多い。最近の築浅物件は、ほとんどがバス、トイレ、洗面所が別になっている。しかしながら、間口の狭い物件の場合、バス、トイレ、洗面所を無理に詰め込んで設計しているため「脱衣所」が削られているケースが多い。一人暮らしでも家族や友達が泊りに来るケースがあり、脱衣所のニーズは意外と高い。間口が3.2m程度ある物件であれば、十分な脱衣所がある可能性が高い。また間口が広い物件はドラム式の洗濯機も置ける可能性もある。ドラム式洗濯機の設置可能性についても確認しておきたい。

5.バルコニーの有無、室内干し設備はあるかなど

またバルコニーは、ほぼ必須と言って良いだろう。都内は敷地が狭い物件が多いため、バルコニーの無い物件も多い。入居者の案内時にバルコニーが無いことで、物件が選ばれないケースも多い。単身者は、洗濯物をバルコニーに干すということは、ほとんどないが、ゴミ袋をバルコニーに置いたり、気分転換にバルコニーに出たりと言った使い方はある。洗濯物を干さない単身者が利用するからと言って、バルコニーをあなどってはいけないのだ。また、バルコニーの有無に関わらず、室内物干し設備が備わっているかどうかはチェックポイントだろう。

6.玄関…ダブルロックは注目ポイント

玄関まわりにもチェックポイントはある。まず玄関の扉がダブルロックかどうかだ。上述のオートロックにも関連するが、セキュリティというのは、今時は当然に高いという流れになっている。そのためオートロックとセットでダブルロックも要チェック項目だ。次に玄関では下足入れにも着目したい。特にトールタイプの下足入れはブーツが入るため女性入居者には喜ばれる。傘立てスペースの有無も一緒に確認しておこう。

7.収納は基本的に足りない

次に部屋の中であるが、部屋の中で注目したい部分は収納だ。ワンルームマンションの場合、収納は基本的に足りない。そのため他の物件よりも収納が多い物件は、入居案内時にかなり評価が高くなる。図面上でWICと記載があれば、ウォークインクローゼットのことなので、それなりに広い収納スペースが期待できる。図面だけで中を内覧できないケースでも、寸法などから収納の大きさを十分に確認すべきだろう。

8.水回りのチェックポイント

またキッチン、洗面所、バスと言った水回りも重要である。キッチンや洗面所の蛇口部分はステンレス製の混合水詮タイプを選びたいところだ。バスの蛇口はシャワーヘッドの大きいタイプが良い。女性が髪の毛を洗いやすいというのが理由だ。またバスも追い炊き機能は不要であるが、自動給湯はあった方が良いだろう。

以上、建物の選び方・注目ポイントについて見てきた。これらの中でも後でリフォームのしようがない、形状や間口、バルコニーなどは特に重要なポイントと言える。まずは形状と間口のチェックから始めることをお勧めします。

 

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