依田一義の経済情報60

財新/マークイットが発表した10月の中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は52.4で、前月の52.0から上昇し、6月以来、4カ月ぶりの高水準となった。新規事業の回復が雇用の拡大につながった。

製造業とサービス部門をあわせた総合PMIは51.4から52.9に上昇し、3年超ぶり高水準となった。

エコノミストは、政府の継続的な政策が企業の景況感を支えていると指摘した。

財新の中国PMIは通常、午前9時45分(日本時間午前10時45分)に発表されるが、今回は午前9時に発表された。

10月のサービス部門PMIは、先に中国国家統計局が発表した製造業および非製造業PMIと同様、中国経済が安定感を増していることを示した。

PMIの構成項目は、サービスを提供する価格を除くすべてが前月から改善。新規事業は6月以降で最も高い伸びを記録。一部企業は、市場環境の改善に伴う需要回復を挙げた。

景況拡大と悪化の節目である50を4カ月にわたり下回っていた受注残も、節目を越えた。受注の増加に生産が追いつかないと指摘する企業もあるという。

雇用は2カ月連続で拡大し、1月以来の高水準。事業の見通しも前月から改善したが、6カ月ぶり高水準だった8月は若干下回った。

価格は、競争激化の影響が出た。大半の企業がコストのごく一部しか転嫁できていないと回答したという。

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