依田一義のエネルギー情報177

九州電力は16日、来年4月の都市ガス小売り全面自由化に合わせて参入する家庭用ガス販売の事業者登録を経済産業省に申請した。福岡、北九州など10市9町の約80万世帯が対象となる。1カ月後をめどに事業者登録される見通しで、割安なガスと電気のセット販売やポイントサービスの導入を検討する。

九電は北九州市にあるグループ会社の液化天然ガス(LNG)基地から西部ガスの導管を使ってガスを家庭に届ける。西部ガスに支払う託送料は同社が年内にも決定する見通しで、経産省の認可後、九電はガス料金を決める予定。

九電は2015年度に約400万トンのLNGを輸入しており、主に火力発電の燃料として使うほか、約15万トンを工場の大口顧客などに販売した。昨夏以降の川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働により、火力発電で使わなくなったLNGを家庭向けに販売することで経営改善を狙う。

西部ガスは今年4月の電力小売り全面自由化に合わせて参入し、ガスと電気のセット料金を設定している。九電の渡辺義朗取締役はこの日の記者会見で「基本的にオール電化をPRするが、『それでもガスがいい』という方に販売する。少なくとも西部ガスよりは(料金を)下にする」と話した。

経産省によると、家庭用ガス販売の事業者登録を申請したのは九電を含め7社で、既に東京電力ホールディングス傘下の事業会社と関西電力は登録されている。

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依田一義のエネルギー情報132

九州電力は今秋からオール電化の営業活動を加速させる。住宅で使われるIHクッキングヒーターや電気給湯器「エコキュート」のメーカーと協力した営業展開を家電量販店などで始め、新たなテレビCMもスタートする。

量販店で九電とメーカー名を併記した「コラボのぼり旗」を掲げる。IHのメーカーなどは九電のオール電化営業の中で、自社製品が使われることを歓迎していると九電はみており、さらに協力関係を深める方針だ。

また、オール電化の顧客獲得を狙ったテレビCMも始める。CMは通常15~30秒程度で情報量も限られるため、2、3分程度のドラマ仕立ての動画も作成し、九電のウェブで公開することも検討している。

九電は2011年の東日本大震災後、原発停止による電力不足のため、オール電化の営業を休止していた。昨年の川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)再稼働などで供給力に余裕が生まれ、今年7月から本格的にオール電化の営業を再開している。

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依田一義のエネルギー情報105

九州電力が来年4月の都市ガス小売り全面自由化に合わせ、福岡都市圏と北九州地区の一般家庭向けにガス販売を始めることが21日分かった。既存のガス小売り部署も増員し、参入準備を本格的に進める。
九電が北九州市に保有する液化天然ガス(LNG)基地は、西部ガス(福岡市)のガス導管と直結している。導管使用料(託送料金)を支払った上で、西部ガスの供給網を利用して一般家庭にガスを届ける。
西部ガスは福岡、北九州両地区の約83万7千件(2015年3月現在)にガスを供給している。九電は、電気とガスのセット割引など西部ガスに比べて割安な料金プランを打ち出し、顧客獲得を図る。
西部ガスの導管網がある長崎県や熊本県のほか、他の都市ガス各社の供給圏で九電がガスを供給するには、LNG基地からタンクローリーで各地に輸送する必要がある。これらの地域での展開について、九電幹部は「費用など経済性を見極めて決める」としている。
九電は昨年7月、ガス小売り参入に向け社内に「ガス小売推進グループ」を設置し、8人体制で検討を進めてきた。今年8月には「ガス営業部」に昇格させ、13人体制に増強。さらに来年度をめどに20人体制とする方針。

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依田一義のエネルギー情報⑨

九州電力の子会社、九電みらいエナジーは26日、電力小売りが全面自由化される4月から、首都圏で電力販売を始めると発表、申し込みの受け付けを始めた。
大手電力で小売りの域外販売を始めるのは中部電力、四国電力に続き3社目。家庭向け料金プランは、40アンペアから契約できる。
基本料金は40~60アンペアで950円40銭~1425円60銭。東電の現行料金より一律15%安い。
使用量に応じてかかる料金単価は300キロワット時までが23円30銭、それ以上が26円に設定。
120キロワット時までは東電より料金単価が高いが、使用量が多いほど安くなる。
料金比較モデルでは、40アンペアで月間使用量が400キロワット時の場合、東電より年間約7200円得になるという。

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