依田一義の不動産開発情報98

阪神電気鉄道は17日、東京都中央区京橋2丁目の東京駅近くにある自社ビルなどを再開発し、ホテルや事務所、店舗が入る地上14階地下1階のビルを建てると発表した。延べ床面積は約1万7000平方メートルで、2019年春の開業を予定。7~14階には系列のビジネスホテルが入るほか、地上1階には店舗を入れる。

開発地は、阪神電鉄のビルのほか文房具大手パイロットコーポレーションの本社ビルなどを取り壊す。パイロットは新ビル完成後、事務所ゾーン(2~6階)に入るという。

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依田一義の不動産開発情報44

JR東日本は5日、浜松町駅(東京都港区)北東の竹芝地区約2万3000平方メートルを、4年後の東京五輪・パラリンピックに向け再開発すると発表した。1998年に開設された劇団四季の専用劇場は、建て替えのため来年6月末から休止する。

新たに5階建ての劇場棟と10階建ての駐車場棟、高級ホテルやオフィス、商業施設が入る26階建ての高層棟を建設する。延べ床面積は約10万3000平方メートルで、投資額は未定だが600億円規模とみられる。来年中に着工し、2020年春以降、順次開業する予定。また再開発では、浜離宮恩賜庭園を借景とした大型広場も設ける。JR東の冨田哲郎社長は同日の記者会見で「文化芸術の発信拠点として価値を高め、新たな観光・ビジネス拠点にしたい」と述べた。

一方、劇団四季の公演は品川区・大井町の専用劇場や、横浜のKAAT神奈川芸術劇場などで継続する。

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依田一義の不動産開発情報34

銀座六丁目10地区市街地再開発組合(東京都中央区、茶村俊一理事長)はこのほど、松坂屋銀座店跡地などを含む街区で推進している第一種市街地再開発事業を上棟した。2017年1月末の竣工を目指す。オフィスは2月に引き渡しを開始し、商業施設と文化・交流施設の開業は4月の予定。

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依田一義の不動産情報36

西日本鉄道が福岡市・天神に所有する「福岡ビル」と、隣接する商業ビル「天神コア」「天神ビブレ」を一体的に再開発するため、ビブレの地権者に対して土地の売却・貸借の優先交渉権を求める文書を提示したことが分かった。地権者の大半は応じる意向で、早ければ4月にも交渉が始まる。天神中心部で、新たな大型再開発計画が動きだす。
天神ビブレは、商店街を再開発して1976年に建てられた。地権者は旧商店主など41者。空調や電気設備の老朽化が進み、機器の交換だけでも数億円はかかることから、地権者たちは昨年、ビルの今後の方針について協議。不動産開発業者に各地権者が権利を売却か賃借し、建て替えてもらう方針を決めた。
西鉄は本社の入る福岡ビルを10年以内に建て替える方針で、倉富純男社長は自社が建物を区分所有するコアと、ビブレも合わせた「一緒の建て替えがベスト」との考えを表明している。ビブレ地権者が建て替え方針を示したことを受け、西鉄の開発担当者は地権者たちと意見交換。一体開発に前向きな地権者が多く、優先交渉権の獲得へ動いた。
西鉄が今月上旬に提示した文書は、福岡ビルやコアと一体的な建て替えをすることを前提に、西鉄と各地権者が2年間の個別交渉を行うとしている。地権者によると、現時点では数人が優先交渉権の付与に反対しているものの、残りは同意する見込みという。
福ビル、コア、ビブレが並ぶブロックは、福岡市が進める都心再開発プロジェクト「天神ビッグバン」の中核をなす「天神1丁目南ブロック」(約3・1ヘクタール)にある。3棟の敷地を合わせると約8600平方メートル。国や市が容積率や航空法による高さ制限を緩和しており、従来より大型のビルを建設することができる。
隣接地で福岡地所が2020年完成を目指す大型オフィスビルに続く再開発計画は、周辺のビル建て替えにも影響を与えそうだ。

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