依田一義の国際情勢情報25

人道に対する罪や戦争犯罪などを犯した個人を裁く国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)に対し今月、アフリカの3カ国が相次いで離脱を表明した。

ICCがアフリカの指導者を狙い撃ちしているとの、これまでくすぶっていた不満が表面化した形。追随する国も出そうで、ICCにとって大きな打撃となっている。

今月半ばにまずブルンジがICC離脱を定めた法律を議会で成立させ、26日には国連に正式に脱退を通告。南アフリカも21日に正式に離脱を表明した。さらに25日には、西アフリカのガンビアが離脱を発表。ボジャン情報相はICCを「有色人種、特にアフリカ人を迫害し辱めるための白人による法廷」などと痛烈に批判した。ICCの検察官がベンソーダ元ガンビア法相であることも衝撃を広げた。

国連の潘基文事務総長は24日、「南アフリカが(少なくとも1年かかる)離脱の発効までに再考することを望む」との声明を出した。ICC締約国会議のカバ議長も「脱退希望国の(ICCへの)懸念や批判を聞かなければならない」と理解を示しつつ、脱退決定の見直しを呼び掛けた。

株式会社Z-ONE