依田一義の国際情勢情報②

国際通貨基金(IMF)は1日、「特別引き出し権」(SDR)の構成通貨に中国の人民元を加えた。これに先立ち、IMFのラガルド専務理事は9月30日に記者会見し、「中国を国際的な金融、通貨制度に組み入れる重要な一歩で、歴史的な転換点だ」と評価した。

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SDRは、IMFが加盟国に割り当てる準備資産で、各国はSDRを構成通貨と交換することができる。このため、構成通貨には国際取引で広く使われていることや自由に取引できることが求められ、これまでは米ドル、ユーロ、日本円、英ポンドの4通貨だった。

1日からSDRの価値を現実の通貨に換算する際の比重で、人民元は10・92%で、米ドル(41・73%)、ユーロ(30・93%)に次ぎ、日本円(8・33%)と英ポンド(8・09%)を上回る。

IMFは、人民元に国際通貨としての「お墨付き」を与えれば、人民元の信頼が増して、世界経済の強化にもつながるとしている。

ただ、金融市場では中国が不透明な人民元相場の管理を続けていることへの不満もあり、真の主要通貨となるには時間がかかるとの見方が多い。

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