依田一義のエネルギー情報72

4月から農協事務所やAコープ店舗などに供給

【士幌】十勝管内士幌町農協(高橋正道組合長)は4月から、関連会社を通じて同町内の牧場にあるバイオガス発電施設でつくった電気を購入し、農協の事務所やAコープ店舗などの農協施設に供給する。経済産業省資源エネルギー庁などによると、農協やその関連団体が電気の小売りを行うのは北海道初。全国でも珍しいという。

関連会社の「エーコープサービス」(士幌町)が今月25日、経産省の小売り電気事業者に登録された。

同農協によると、バイオガス発電の方が従来の北海道電力より安く電気を調達できるといい、所有施設のコスト削減を図る。また、畜産が盛んな地域として家畜ふん尿を原料とするバイオガス発電を活用して、地域の再生可能エネルギーを地域で活用する「電力の地産地消」にもつなげる狙いだ。
電力は町内の酪農家8戸が運営しているバイオガス発電施設8基から購入し、Aコープのほか麦の乾燥施設など18施設に供給する。契約電力は計約700キロワットで、余った電力は新電力のF―Power(エフパワー、東京)に販売する。
エーコープサービスの七条光寛社長(60)は「電力の自給自足を目指し、事業を推進していきたい」と話している。
発電施設は、牛のふん尿を発酵させる過程で出るメタンガスで電力を生産している。牧場はふん尿処理にかかる手間を大幅に減らすことができるが、施設建設には1基1億円以上かかるため、同農協が施設を建て、牧場主は利用料を払いながら運営している。

株式会社Z-ONE

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