依田一義の不動産開発情報23

パナソニック、野村不動産などは28日、横浜市港北区の綱島地区で開発を予定している「Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン」の詳細を発表した。
マンションやショッピングセンター、企業の研究拠点などの施設に対して、東京ガスがエネルギーを一括で供給。施設間で互いに融通し合うなどして効率的に使い、
二酸化炭素(CO2)の排出量削減にもつなげるという。
2018年オープンをめどにした計画は昨年3月に発表済み。この日は、施設内にエネルギーセンターを設置し、東京ガスがコージェネレーションシステムを導入することや、
JXエネルギーが水素活用拠点をつくることなどを公表した。京都議定書発効直後の05年度比でCO2排出量を40%削減する目標を掲げた。
“街”をつくるための約3万7900平方メートルの敷地は、旧松下通信工業(現パナソニック)が工場を建設し、通信・無線機器などを製造していたが11年に閉鎖した。
パナソニックの津賀一宏社長は28日の会見で、「かつて工場として産業発展に貢献した土地を活用し、まちづくりで新たな貢献を果たしたい」と強調。同社にとって、
14年に開設した神奈川県藤沢市に続くスマートタウンとなる。野村不動産や東京ガス、技術開発拠点をつくる米アップルなどと設立した協議会が開発を進める。

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依田一義のエネルギー情報68

大東建託グループの大東エナジー(東京都港区)は4月の電力小売り全面自由化に伴い、同グループが管理する賃貸住宅向けに、新サービス「いい部屋でんき」を5月9日から始める。
電気の使用量が比較的少ないシングル世帯を考慮。地域の電力会社の料金テーブルから一定の割引率(3%、5%)を適用して電気を提供する。家賃と電気代を合算して支払える「おまとめサービス」を利用すればクレジットカードで対応できる。
同グループの大東建物管理はすでに、電力会社から高圧電力を一括購入し、低圧に変えて各部屋へ供給する「電力アグリゲーター事業」を展開。入居者向けに、一般の電力会社に比べて安価な電気料金で電力を提供している。また管理建物の所有者から屋根を借りて発電設備を設置する「太陽光発電事業」も行っている。
同グループが管理する賃貸住宅は2月末時点で95万戸、2017年3月末には100万戸を超える計画を進めている。

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依田一義のエネルギー情報67

東京ガスは、さまざまな建物がスマートエネルギーネットワークで結びつき、エネルギーの有効利用を可能にする街づくりを進めている。「田町スマエネパーク」(東京都港区)では再生可能・未利用エネルギーを最大限活用することにより、二酸化炭素(CO2)排出量を1990年比で45%削減する計画だ。
同パークには、スポーツセンターなどが入った「みなとパーク芝浦」と160床の「愛育病院」、「港区立しばうら保育園」という3つの建物がある。第一スマートエネルギーセンターを拠点として、街全体で熱と電気の地産地消を図っている点が特徴だ。
エネルギーを創る主な設備の一つがガスコージェネレーションシステム。2機のガスエンジンと1機の燃料電池によって構成され、発電する際の廃熱も有効利用する。
太陽熱集熱器は歩行デッキの屋根に設置。約90度の高温水を作り、冷暖房・給湯のエネルギー源として活用する。エリア全体には合計93キロワットの太陽光発電パネルを設置している。未利用エネルギーとしては地下トンネル水を活用。年間を通して温度変化が少ないという特性に着目し、冬は暖房の熱源として蒸気吸収ヒートポンプに、夏は冷却水としてスクリュー冷凍機に利用する。年間の省エネ率は30~65%に達するという。
建物自体にも、さまざまな省エネ対策が盛り込まれている。例えば、みなとパーク芝浦には空調に全面的に依存しない快適空間を実現するため、気流発生装置などを導入している。
エネルギーの安定供給を図るために構築しているのが「SENEMS(セネムス)」というシステム。ICT(情報通信技術)を活用し、建物側の需要データやプラント側の供給データなどを瞬時に分析処理し、エネルギー需給を最適に制御する。
田町スマエネパークは2つのエリアで構成されており、現在は西側街区の開発工事が行われている。同区には第二スマートエネルギーセンターを設置する予定で、「2つのセンターを連携することによって、より効率的な供給体制を目指す」(東京ガスエンジニアリングソリューションズ・ソリューション人事総務部の入江徹氏)。
東京ガスは、豊洲(東京都江東区)でもスマートエネルギーネットワークを構築。豊洲市場へエネルギーを効率的に供給する計画で、ネットワークを構築しない場合に比べて、CO2排出量を約4~5割削減する方針を掲げている。
昨年11~12月にパリで行われた「気候変動枠組み条約第21回締約国会議」(COP21)で日本は、30年までに温室効果ガス排出量を13年比26%削減することを公約。より高度な省エネ対策が求められる。このため東京ガスは再開発事業で、同様のネットワーク構築を積極的に仕掛けていく考えだ

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依田一義のエネルギー情報66

JXエネルギーは3月28日、福岡県大野城市の「Dr.Driveセルフ太宰府インター店」に水素ステーションを開所し、水素の販売を開始したと発表した。
同ステーションは、昨年開所した「Dr.Driveセルフ八幡東店」、今月開所した「Dr.Driveセルフ伊都店」「Dr.Driveセルフ福岡空港店」に続き、
同社として福岡県において4か所目の水素ステーションとなる。
同社は、次世代自動車振興センター「燃料電池自動車用水素供給設備設置補助事業」の採択を受けて、四大都市圏に約40か所の商用水素ステーションの開所に向けた準備を進めている。
今回開所したDr.Driveセルフ太宰府インター店を含め、同社の開所済みの水素ステーションは合計37か所となる。

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依田一義のエネルギー情報65

JXエネルギーは3月25日、茨城県とつくば市の協力を得て、茨城県初となる水素ステーション「つくば春日水素ステーション」(移動式)を開所し、水素の販売を開始したと発表した。
同社は、次世代自動車振興センター「燃料電池自動車用水素供給設備設置補助事業」の採択を受けて、四大都市圏に約40か所の商用水素ステーションの開所に向けた準備を進めている。今回開所したつくば春日水素ステーションを含め、同社の開所済みの水素ステーションは合計35か所となった。
なおつくば春日水素ステーションは移動式で、水曜日・金曜日の12時から14時のみの営業となる。

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依田一義のエネルギー情報64

中部電力で最大の水力発電所(揚水式の水力を除く)が3月24日に営業運転に入った。岐阜県の西部を流れる揖斐川(いびがわ)の上流に建設した「徳山水力発電所」である。
2基の発電機のうち2号機が2014年5月に運転を開始してから、2年近くかかって1号機が稼働した。
建設場所は日本で最大級の規模を誇る「徳山ダム」の直下にある。徳山ダムは2008年に運用を開始した治水用のダムで、総貯水容量は日本で最大の6億6000万立方メートルにのぼる。
堤の高さも161メートルに達する。
大規模なダムの上部から堤の直下に建設した発電所まで、導水路で水を引き込んで発電する方式だ。発電所の建屋は地上にあるが、2基の水車と発電機は地下に設置されている。
1号機は地下90メートル、2号機は地下30メートルにある。
深い場所にある1号機の発電能力は13万9000kW(キロワット)で、浅い場所の2号機は2万4300キロワットだ。両方を同時に運転する場合には水量の制限があるため、
合計で16万1900kWになる。これまで中部電力の水力発電所では長野県で運転中の「平岡水力発電所」の10万1000kWが最大だった。
水力発電の出力を決めるのは水流の有効落差と水量である。徳山水力発電所の1号機は有効落差が182メートルで、2号機の146メートルよりも36メートル大きい。
使用できる水量は1号機が最大で毎秒82立方メートルに対して、2号機は約4分の1の毎秒19立方メートルに抑える。両方の合計で毎秒100立方メートルまで発電に使うことができる。

試運転中に発電機の温度が異常に上昇
徳山水力発電所は1・2号機ともに2014年6月に運転を開始する予定だった。2号機は予定よりも1カ月早く稼働できたが、1号機は1年9カ月も遅れて稼働にこぎつけた。
その間に運転開始を3度も延期している。
1度目の延期は着工から約2年後の2011年11月のことで、地下の掘削工事が難航したことによる。徳山水力発電所の設備は水車と発電機を設置する地下室のほか、
ダムから水を取り組む導水路や発電後の水を川に送り出す放水路など、大半の設備を地下に埋設する構造になっている。
地下に設備を建設するためには岩盤まで掘削する必要があるが、事前の調査よりも岩盤の位置が深かったために工事期間が延びてしまった。
その間に豪雪で工事を中断した時期もあり、1号機の運転開始を当初の予定から1年先の2015年6月に延期することになった。
その後も営業運転を開始する直前の試運転中に発電機に不具合が発生した。水車と発電機の回転部分を支える「スラスト軸受」の温度が上昇したためだ。
新たに冷却器を増設する対策などを実施して、3カ月後の2015年9月に営業運転を開始することになった。2度目の延期である。
ところが対策を実施した後もスラスト軸受の温度上昇は収まらなかった。3度目の延期を余儀なくされて、運転開始を半年後の2016年3月に再設定した。
その間に原因を調査した結果、回転部に微妙な突起があることが明らかになった。
回転による摩擦熱で突起が膨張して温度を上昇させていた。突起を除去する対策を施して、ようやく正常に運転を開始することができた。
2009年10月の着工から6年半を経て全面稼働にこぎつけた。それでもCO2(二酸化炭素)を排出しない大規模な水力発電所の効果は大きい。

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依田一義のエネルギー情報63

JXエネルギーは3月25日、福岡県糟屋郡志免町の「Dr.Driveセルフ福岡空港店」に水素ステーションを開所し、水素の販売を開始したと発表した。
同ステーションは、昨年開所した「Dr.Driveセルフ八幡東店」、今月8日に開所した「Dr.Driveセルフ伊都店」に続き、同社として福岡県において
3か所目のサービスステーション一体型水素ステーションとなる。
同社は、次世代自動車振興センター「燃料電池自動車用水素供給設備設置補助事業」の採択を受けて、四大都市圏に約40か所の商用水素ステーションの開所に向けた準備を進めている。
今回開所したDr.Driveセルフ福岡空港店を含め、同社の開所済みの水素ステーションは合計35か所となる。

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依田一義のエネルギー情報62

東燃ゼネラル石油は24日、電力小売り全面自由化で4月に参入する際の関西電力、中部電力両管内の電気料金を発表した。一般家庭向けで月間使用量400キロワット時の場合、関電よりは6.9%割安。中部電の新料金と比べると、契約電流40アンペアで最大1.4%安くなる。ともに4月18日から受け付けを始める。
東燃ゼネは関電、中部電のほか、東京電力管内で電力小売りに参入する。既に東電管内の電気料金は公表済みで、使用量が多いほど割引率が高くなるプランを採用している。

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依田一義のエネルギー情報61

JXエネルギーは3月24日、東京都板橋区に「東京板橋水素ステーション」(移動式)を開所し、水素の販売を開始したと発表した。
同ステーションは、同社として都内初の移動式水素ステーション。また、昨年度に開所した「八王子高倉水素ステーション」「東京杉並水素ステーション」、今月開所した「東京目黒水素ステーション」「Dr.Driveセルフ潮見公園店」に続き、同社として都内5か所目の水素ステーションとなる。
同社は、次世代自動車振興センター「燃料電池自動車用水素供給設備設置補助事業」の採択を受けて、四大都市圏に約40か所の商用水素ステーションの開所に向けた準備を進めている。今回開所した東京板橋水素ステーションを含め、同社の開所済みの水素ステーションは合計33か所となった。
なお東京板橋水素ステーションは移動式で、水曜日・金曜日の13時から15時のみの営業となる。

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依田一義の不動産開発情報22

MID都市開発、野村不動産、パナホームの3社は、神奈川県茅ケ崎市のJR辻堂駅西口エリアで進む大規模複合開発エリア内で「(仮称)湘南辻堂マンションプロジェクト」を手掛ける。
総開発面積約2万6000平方メートルのパナソニック工場跡地の一画。地権者や地域住民、行政が連携して進めている「複合的街づくり」において、総戸数352戸の大規模マンションを開発する。
価格は未定。竣工予定は2017年12月。

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