依田一義の経済情報17

国土交通省は7日にも、道路運送車両法に基づく保安基準を改正する。暗くなると自動点灯する「オートライト」や、エンジン音が静かなハイブリッド車(HV)などの接近を知らせる装置を義務づけるのが柱。交通事故の死傷者減に向け、政府主導で新技術の活用を後押しする。

保安基準の主な改正ポイントは、(1)オートライトの義務化(2)HVや電気自動車(EV)など静音車両の接近を知らせる装置の義務化(3)スポーツ用多目的車(SUV)用の補助ミラー取り付け基準の明文化-など。2020年東京五輪前から順次適用を始める。

オートライトはセンサーで明るさを感知し、自動でヘッドライトを点灯・消灯する機能。改正では、日の入り15分前程度の明るさにあたる1千ルクス未満になると、2秒以内に点灯するなどの要件を設けるほか、運転者が任意で機能解除できないようにする。

また、HVやEVなどの静音車両はエンジン車に比べ走行音が聞こえにくい。既存の通報装置を規定するガイドラインは、音量を「エンジンで時速20キロで走行する程度」と定めたが、具体的な数値基準はなかった。改正では、平成30年3月以降に発売する新型車に「時速10キロで50デシベル、同20キロでは56デシベル」と規定。やや音量をアップし周波数も範囲を定めた。

SUV用の補助ミラーについては、改正により取り付け方法を溶接やリベット、ボルトなどと明確に規定し、容易に取り外しできなくする。

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