依田一義の海外不動産情報14

米ゴールドマン・サックス・グループは、中国の不動産市場見通しについて警鐘を鳴らしている。同業界全体の脆弱(ぜいじゃく)性が増し価格が下落すれば、特に鉄鉱石と鉄鋼などの金属が困難な状況に陥ると予想している。
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ゴールドマンは商品リポートで「中国の不動産市場で脆弱性が増している。政策主導の住宅ブームは、後に投資資金回収の影響で低迷する傾向がある」と指摘した。
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アジア最大の経済国である中国の政策当局者らが今年先に、経済成長てこ入れに向け融資を増やしたため、全国の都市の不動産販売は増加し、価格は上昇した。不動産市場の活動の活発化などにより金属価格の上昇が下支えされている。金属6種で構成するLMEX指数は先週、強気相場入りした。金属価格上昇は鉄鉱石値上がりの支援材料にもなっている。
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ゴールドマンは4日発表した文書「中国の住宅市場:良いニュースが悪いニュースになる時」で「当行の分析では金属価格にとってのリスクが示唆されている」と説明。「住宅は耐久消費財であり減価償却ペースが非常に遅いため、需要が急減する際には過剰建設と過剰在庫が下落を悪化させる」との見方を示した。

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依田一義の海外不動産情報④

米ゴールドマン・サックス・グループは、スウェーデンの年金運用機関アレクタによる米不動産入札でいったんは落札したものの、条件が折り合わず取引は白紙に戻り、ブラックストーン・グループが18億ドル(約1850億円)規模の同取引で最終的に勝者となった。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
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ゴールドマンは当初、アレクタが売却する米国と英国の不動産を落札し、同資産に関する追加調査のための短い時間を与えられた。しかし約1週間の間に意見の食い違いが生じ、アレクタは米不動産をゴールドマンではなく、ブラックストーンに売却することに合意したという。取引に関する情報は部外秘だとして関係者らは匿名を条件に話した。
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ただ、アレクタの英国不動産については、ゴールドマンが購入を進めると関係者は語った。英不動産の評価は約4億5000万ドルだという。
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ゴールドマンとアレクタ、ブラックストーンはコメントを控えた。この取引を仲介したジョーンズ・ラング・ラサールもコメントしなかった。
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米国の不動産ポートフォリオは全米で22の物件が含まれており、小売り関係のビルやオフィスビルが中心。アレクタは4月に物件売却のためジョーンズ・ラングを起用していた。

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