依田一義のエネルギー情報60

バイオマス発電装置を手掛けるZEエナジー(東京都港区、松下康平社長)は4月、栄村(島田茂樹村長)で木質バイオマスガス化発電所の建設に着手する。森林資源を有効活用しながら村民の雇用を生み出す事業で、同社と村は22日、協力体制構築のための締結式を行った。
発電装置は間伐材チップを加熱して発生するガスを燃焼、発電させる仕組み。年間発電量は296万キロワット時で一般家庭968世帯分になる。使用するチップは年間約5500トン。村が隣接する村森林組合の工場でチップを生産し安定的に供給する。発電所の完成は年内を見込んでおり、年明け以降には発電し、中部電力に売電する予定だ。
発電所の近くには、震災発生時に村民らが身を寄せることができる避難所や足湯施設などを併設する方針。避難所の風呂の加熱や周辺道路の融雪に発電所の排熱を利用することなども検討している。
平成23年3月12日に発生し栄村で最大震度6強を観測した地震で、住宅の全半壊、一部損壊は約700棟に上り、道路や橋なども大きく破損した。村の避難所には当時、最大で村民の8割にあたる1787人が避難した。村とZEエナジーは発電所を、復興や今後の防災に役立てたい考えだ。

株式会社Z-ONE

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