依田一義の国際情勢情報27

米国のカーター国防長官と英国のファロン国防相は26日、過激派組織「イスラム国」(IS)が首都と称するシリア北部ラッカの奪還作戦を「数週間以内に開始する」との見通しをそれぞれ示した。米軍主導の有志国連合は、ISのイラクの拠点である第2の都市モスルの攻略と並行してラッカの作戦を進める方針を明らかにしていたが、政府幹部が時期を明言したのは初めて。

イラク軍などは今月中旬からモスル奪還を目指した大規模な軍事作戦を開始し、有志国連合も空爆や作戦指揮で支援している。カーター氏は同日、米NBCのインタビューに、ラッカでの作戦開始時期を「数週間以内」と述べた。ファロン氏もブリュッセルで開かれている北大西洋条約機構(NATO)国防相会議で記者団に同様の見通しを語った。

対IS作戦を巡っては、NATOも今月20日から大型レーダーを備えて味方機の指揮管制を担う空中警戒管制機(AWACS)をシリア上空に飛ばし、有志国連合に情報提供を始めている。また、これまで隣国ヨルダンで行っていたイラク軍の訓練をイラク国内でも近く始める見通しだ。

NATOのストルテンベルグ事務総長は25日の記者会見で「イラク軍への支援を強化する」と述べたが、モスルなどの奪還作戦への直接的な関与については明言を避けた。

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