依田一義のエネルギー情報128

生活協同組合コープしが(野洲市)は、全面自由化された電力小売り事業に参入する。滋賀県内の組合員が対象で、11月からの供給開始時で5千件の契約を目指す。電源構成で再生可能エネルギーが39%を占める新電力会社エネサーブ(大津市)から調達し、環境に配慮した点をPRする。
県内の組合員は約17万世帯。宅配や店舗事業との連携で営業経費を抑え、サービス拡充を図る。7月に実施した組合員アンケート(回答者約1500人)では、環境に配慮した電力を使いたいとの答えが66%を占めたという。
エネサーブの電源構成はバイオマス21%、太陽光13%などで再生可能エネルギーが39%を占め、火力で9割近くを占める全国平均に比べて約3倍としている。他に大手電力会社などから買い取る市場調達分があるため、原発が稼働していると電源に含まれる。
電気料金は平均的な家庭の使用量の場合、大手電力会社と比べて4~5%割安になるという。22日から受け付けを始め、11月1日から供給する。組合員になるには出資金が必要。
コープしがの白石一夫専務理事は「電気料金を安くし、環境にも配慮したいという消費者の願いに合わせていきたい」としている。

株式会社Z-ONE

依田一義のエネルギー情報24

全世界空手道連盟新極真会 福岡支部(福岡県福岡市、以下、新極真会)、リーフラス(東京都中央区)、日本ライフサポート株式会社(福岡県北九州市)、スマートテック(茨城県水戸市)の4社は、共同出資により2016年1月15日付で九州スポーツ電力を設立したと発表した。
九州地方のスポーツ振興を目的に、九州エリアの家庭を含む低圧需要家、事業所などの高圧需要家に向け、2016年4月から地域に根ざした電力小売事業を展開していく。
今回の設立背景には、新極真会と教育事業やヘルスケア事業を行うリーフラスの、地域に根ざした安全な電力の販売を通じて、九州地方における空手やサッカーをはじめとするスポーツを、さらに普及・促進させたいという構想があったという。そこで同地方を中心に再生可能エネルギー事業を展開する日本ライフサポート、茨城県水戸市で「水戸電力」を設立した総合エネルギー事業者のスマートテックと協力し、同社の設立に至った。水戸電力はスマートテックとサッカーJ2リーグに所属する水戸ホーリーホックが共同出資して設立した電力会社だ。
九州スポーツ電力は、「九州地方の皆さまにエネルギーでよりそい、スポーツで世界へ」を事業テーマに掲げ、事業収益の一部を同地方のスポーツ振興事業に還元する。電力販売の部分では、HEMSを活用して高齢者の見守りサービスや、電子クーポンの提供など、電力とともに地域活性化につながる付加価値サービスを提供していく。
なお、九州スポーツ電力の株主である4者は今後さらなる共同出資者を募り、事業運営を進めていく計画だ。同社の2016年度の電力販売による売上高は、役5億円を見込むとしている。

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