依田一義の不動産情報58

新日鉄興和不動産(東京都港区)は11日、新規事業に相次ぎ参入する方針を明らかにした。具体的には中規模タイプの高級オフィスビルをシリーズ化するほか、物流倉庫を新たに供給。高級賃貸住宅の新ブランドも展開する。中核事業はオフィスビルの運営管理だが、新たな領域を取り組むことで事業基盤の強化を図る。
東京都心3区(千代田、中央、港)を中心に供給する高級オフィスビルは、1フロア当たりの面積が330~660平方メートル前後。中小規模の古いビルが並ぶ地域で事業を進める。
主な顧客層は中堅企業や大企業のグループ会社などを想定。事業継続計画(BCP)対策や快適性などを充実させ、年2~3棟ベースで開発する。この領域では野村不動産が「PMO」ブランドで先行、「S-GATE(エスゲート)」の名称でサンケイビルも開発に注力しており競争は一段と激化しそうだ。
物流不動産についてはインターネット通販などの拡大を背景に需要が増大していくと判断。新日鉄住金グループやみずほ銀行と連携しながら情報を入手、事業を進める。既に4カ所で倉庫の建設を決めている。
高級賃貸住宅は、既に外国人を主な対象として「ホーマットシリーズ」を供給しているが、この事業を通じて得たノウハウを活用し、都心部で新ブランドを立ち上げる。既存ビルからの転用や周辺と一体となった再開発を展開、約5カ所で事業化を検討している。
主力のオフィスビルは大型物件の管理運営に積極的に取り組む。本格的なプロジェクトがこの日スタートし、2019年3月完成予定の「(仮称)日鐵日本橋ビル建替計画」(東京都中央区)は地上18階・地下3階建て。基準階の面積は約1000平方メートルでBCP対策を売り物とする。

株式会社Z-ONE

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