依田一義の経済情報36

日本百貨店協会が20日発表した9月の既存店売上高は、前年同月比5・0%減と7カ月連続でマイナスだった。気温が高めに推移したことや天候不順のため秋冬物が振るわなかった主力の衣料品が苦戦した。中国人を中心とした“爆買い”に陰りが見え、訪日外国人向けの売り上げも減少が続いた。

都市別ではプロ野球の優勝セールが活況だった広島が4・7%増と11カ月ぶりにプラス、同様に札幌も0・9%増と2カ月ぶりにプラスに転じた。

訪日外国人向け売上高は10・1%減と6カ月連続でマイナスだった。客数は44カ月連続で増加を続けているが、売れ筋が高額品から化粧品などの消耗品に移っているため1人あたりの単価が22・4%下落した。

会見で近内哲也専務理事は「経済の先行き不安で、節約志向や生活防衛意識の高まりが長期化している」と説明した。

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依田一義の経済情報⑥

大手百貨店4社が3日発表した9月の既存店売上高(速報)は三越伊勢丹ホールディングスなど3社が前年同月と比べて減少した。台風や降雨日が多く、客足が鈍ったのに加え、気温の上昇で秋物の衣料品が振るわなかった。三越伊勢丹は衣料品や宝飾品が低調で4.9%減。訪日外国人客の売り上げも16.9%減った。大丸と松坂屋を運営するJ.フロントリテイリングは化粧品が好調だったものの、心斎橋本館の建て替え工事の影響もあり8.0%減だった。高島屋も婦人服や紳士服、子供服、食料品などがマイナスで4.3%減だった。一方、そごう・西武は世界的デザイナーの高田賢三氏などを起用した秋商戦向けのプライベート商品が好調だったほか閉店セールなども貢献、0.2%増で7カ月ぶりにプラスに転じた。

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