依田一義のエネルギー情報16

Looop(東京都文京区)は、5月末までに申し込みをすれば基本料金をゼロにする低圧電力の契約者向け料金プランを発表した。
1キロワット時当たりの料金は家庭向けが26円、事業者向けは関東が27円、関西が26円(いずれも消費税込み)となる。使った量だけ支払う料金にすることで顧客を獲得する。
26円は大手電力会社の販売単価(東京電力の第2段階料金)と同等だが、基本料金がない分、月々の電気代を抑えられる。
発電所などの固定費が少ないため、基本料金をゼロにしても事業が成り立つと見込んだ。中村社長は「想定通りに事業リスクが少なければ基本料金ゼロを継続する」としている。
供給する電力の再生可能エネルギーの比率は4分の1程度になるという。
一方、ケイ・オプティコムは4月1日に始める一般家庭向け電力小売りサービス「eo(イオ)電気」の基本料金を1年間無料にする「eo電気スタート割」を開始する。
キャンペーン期間の5月末までにイオ電気に申し込んだ顧客のほか、すでに申し込んだ顧客も適用される。解約精算金、事務手数料は無料。イオ電気の顧客数は現在5000件。
3月末までに1万件の獲得が目標。
「使った分だけ支払う」という料金メニューは分かりやすさのメリットがある。さまざま企業が出している料金メニューは、電気使用が多くて基本料金の高い家庭ほど割引の恩恵が受けられるプランが多い。
基本料金ゼロは、電気の使用が少ない(もともとの基本料金が低い)家庭に恩恵がありそうだ。

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依田一義のエネルギー情報15

神戸製鋼所は、水素ステーションを実運用するのに近い形で様々な運転パターンや充填シミュレーションの検証が可能な「水素ステーション総合テストセンター」を高砂製作所内に新設すると発表した。
投資額は約5億円で、3月中旬に完成する予定。燃料電池車(FCV)への充填、各設置機器(圧縮機、冷凍機、高圧容器など)における各種運転データの収集、水素圧縮機の各種試験などを検証できる。
水素ステーションでは、FCVの本格的な普及に向けた航続距離を延長するため、充填圧力の高圧化による充填量の最大化が必要と考えられている。様々な条件で機器の運転状態を検証できる同センターを活用し、市場ニーズに合った製品開発を進める。将来的にはシステム全体の検証を実施するために水素製造設備の設置も検討する。
同社は、水素ステーション用圧縮機で国内定置式水素ステーション向けに17件の納入実績、約30%のシェアを持つ。他にも一般的な熱交換器である多管式と比較し、10分の1程度にまでコンパクト化した熱交換器なども揃えている。

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依田一義のエネルギー情報14

JX日鉱日石エネルギーは3月4日、京都市伏見区の「Dr.Driveセルフ菱川店」に京都府初となるサービスステーション一体型水素ステーションを開所した。
同ステーションは圧縮水素を水素トレーラー等で輸送するオフサイト方式で、圧縮機、蓄圧器(カーボンファイバー複合容器)、冷凍機、充填機などを備える。
同社は、次世代自動車振興センター「燃料電池自動車用水素供給設備設置補助事業」の採択を受けて、四大都市圏に約40か所の商用水素ステーションの開所に向けた準備を進めている。
これまで、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛知県、大阪府、福岡県に22か所の水素ステーションを順次開所し、水素販売を開始しており、同ステーションの開所で、合計23か所になる

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依田一義のエネルギー情報13

丸紅は4日、子会社の三峰川電力が買収した広島県内の小水力発電所が竣工式を行ったと発表した。広島市佐伯区2カ所と北広島町1カ所の計3カ所の発電所の出力は合わせて400キロワット。
年間の発電量は約320万キロワット時で一般家庭約900世帯分を賄う。
昨年地元の業者から買収し、1月から商業運転を開始した。買収費用や設備更新も合わせた投資額は約6億円。発電した電気は固定価格買い取り制度を使って丸紅へ売電する。
丸紅は太陽光や洋上風力など再生可能エネルギーの電源開発を進める。小水力発電は国内11カ所となり、2020年までには30カ所に増やす計画。
丸紅は子会社の丸紅新電力を通じ、4月からの電力小売り全面自由化で、低圧の家庭向け小売りにも参入する。同社が持つ国内発電量(47.1万キロワット)のうち約63%が再生可能エネルギーで、
競争力の高い料金プランに加え、再生可能エネルギーに強い電源開発もアピールする。

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依田一義の不動産開発情報11

森トラストは3日、2020年春に奈良市で、提携している米ホテルチェーン大手「マリオット・インターナショナル」の最高級ブランドホテルを開業すると発表した。
名称は、「JWマリオットホテル奈良」。日本にマリオットの最高級ブランドホテルが進出するのは初めてだ。延べ床面積約1万5000平方メートルで、150室を予定している。

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依田一義の不動産開発情報⑩

サンケイビルは3日、東京都世田谷区で、宅地分譲と有料老人ホームの建設を行うと発表した。同社が宅地分譲を行うのは初めて。同区深沢の土地4800平方メートルを取得し、うち14区画計約1400平方メートルを6月以降に宅地として販売する。老人ホームは定員97人で平成30年春ごろに開設する予定。子会社サンケイビルウェルケアが運営する。

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依田一義の不動産情報16

インテリックスはこのほど、横浜・元町通り沿いで販売していた新築分譲マンション「リシャール横濱元町」が全戸完売(23戸)したと発表した。
同物件はワンルームからコンパクトタイプのマンション。参考価格として、40平方メートルタイプの住戸が3796万~4279万円となっている。
「割高感」を指摘する声もあったが、横浜の中でも人気の元町エリアにある上、ショッピングストリート「元町通り」に面するといった立地のよさが評価された。販売期間は約2カ月だった。

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依田一義の不動産情報14

マイナス金利で「賃貸マンションを建てる」は正解なのか?
連日、新聞やテレビで大きく報道される「マイナス金利」。連動して一部メガバンクを先頭に、住宅ローン利率を大幅に下げる動きが注目を浴びている。現在所有地を有し、将来的に賃貸住宅の建築を考えているオーナーにしても「好機」といえるだろう。アパートローンは住宅ローンに連動するケースが多いためだ。
この流れを受け、筆者にもマイナス金利を受けて孫のために賃貸マンションを建てるべきかと相談を受けることが増えている。ここでは、かわいい孫のために賃貸マンションを建てるべきかどうかについて見ていきたい。

■マイナス金利と住宅ローンは違うもの?

日本銀行(日銀)の「マイナス金利政策」導入を受け、金融市場をはじめ影響が広がっている。雑誌やWEB記事でも、「マイナス金利で史上空前の住宅ローン低金利時代へ」との特集をよく目にするようになった。正直なところ、筆者にも数多くの原稿依頼が届いている。
ただ気になることは、マイナス金利が適用されたのは住宅ローンではない。この2種類の金利はどのような関係があるのだろうか、ということだ。まずはそれを理解したい。住宅ローンには金利が2種類ある。「変動金利」と「固定金利」だ。変動金利は民間の銀行ローン、固定金利は住宅金融支援機構のフラット35という定義が有名だろう。実際には例外もあるが、本旨ではないため割愛する。
さて、ニュースに流れている「マイナス金利」は何を指すのか。マイナス金利とは、民間銀行が日本銀行にお金を預ける際に、金利ならぬ「手数料」を取ることを意味するものだ。民間銀行は日銀にお金を預ける際、利息の代わりに手数料を渡さなければならない。これにより民間銀行は、「日本銀行に預けているくらいなら、(民間企業に)融資をしたり、自社で運用をしたりする方がいい」という判断となる。このため市場にお金を流すことが日本銀行(政府)の狙いだ。
つまりマイナス金利と住宅ローン金利(変動金利、固定金利)は別物。今回も「マイナス金利が住宅ローン金利に影響を与えるには、しばらく時間がかかる」と、専門家のあいだでも意見多数だったのが、メガバンクによる住宅ローン金利下げが始まった。住宅ローンの影に隠れがちだが、アパートローンの金利減少を受け、将来的に賃貸住宅な賃貸住宅を検討していた土地所有者から、「建てようか迷っている」という相談を受けることが多い。なかには、子どもや孫世代を含めた資産活用として考えているケースもある。

■マイナス金利で孫のために賃貸マンションを建てるべきか

賃貸住宅は、建築構造によって、孫世代にもわたって資産活用の方法として効果的なものだ。たとえば鉄筋コンクリート造(RC造)建物の寿命を示す減価償却費計算上の「耐用年数」は47年と、木造の22年、鉄骨造(S造)の34年をはるかに超える期間、法人税の課税対象額を抑えることができる。ただ、ここでよく抜け落ちている視点が、「借入金そのもののリスク」だ。
多くの賃貸オーナーは(賃貸住宅の)建築費に自己資金だけでは足りず、銀行などの金融機関からアパートローンを借りる。このローンの金利が史上最低基準として話題になっているのだが、そもそもこの資金は「借入金」である。万が一想定通りの家賃収入が入らなければ、毎月発生するアパートローンの返済額を確保することが難しくなり、賃貸オーナーの自己資金から補てんする、いわゆる「持ち出し」が発生することになる。
ましてや、このアパートローンを30年、40年といった長期期間で借り入れた場合、その債務は借入を決めた当該世代のみならず、子世代、孫世代に債務が移っていくことになる。
2月26日に発表された「2015年国勢調査の人口速報値」によれば2015年10月1日時点で、5年前に比べて94万7305人(0.7%)減少したとのことだ。日本の人口減少は、1920年の調査開始以来、初のことで、いよいよ人口減少社会がはじまった。日本に在住する外国の方も含むため、賃貸住宅のニーズをはかる上で信憑性の高いデータといえるだろう。
そのなかで賃貸住宅の経営を行っていくのは、現在以上に難易度が高いことは間違いない。「マイナス金利」という情報のみで30年、40年の長期借り入れを決めるのではなく、(所有地のある)場所ははたして賃貸物件の建設に向いているのか、子世代・孫世代はいずれ引き継ぐ賃貸経営に前向きかを確認しておくことが大切だろう。まさに、「長期的視野」にもとづいて、賃貸経営をスタートさせる、優先順位を忘れないようにしたい。
確かに、金利の違いは借入金の総返済額を考えたとき、借入元本額によっては数百万円前後の大幅な差が生じる。この差は、賃貸経営のタイミングにおいてとても重要だ。だからこそ、長期的な視野をもって、次世代を含めた「家族」として判断するようにしたいものだ。

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