依田一義の国際情勢情報48

ドナルド・トランプ次期米大統領は29日、財務長官に米銀大手ゴールドマン・サックス(GS)出身のスティーブン・ムニューチン氏(53)を、商務長官に知日派の著名投資家ウィルバー・ロス氏(79)を指名する方針を固めた。

米主要メディアが一斉に報じた。30日にも正式発表する。

ムニューチン氏はGS幹部や著名投資家ジョージ・ソロス氏のファンドなどを経て、共同で創設したヘッジファンドを率いている。大統領選では、トランプ陣営の財務責任者を務めた。トランプ氏は個人的な信頼関係に加え、金融の現場に詳しいことを評価したとみられる。ハリウッドの投資家として、映画制作にも携わったことがある。

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依田一義の国際情勢情報47

ロシアのショイグ国防相は15日、内戦の続くシリアでロシア軍がイスラム過激派に対する大規模な軍事作戦を再開したと発表した。

シリア沖に派遣したロシア唯一の空母「アドミラル・クズネツォフ」を初めて実戦投入し、艦載機も攻撃に参加。シリア北西部イドリブと中部ホムス両県で「イスラム国」とイスラム過激派「レバント征服戦線」(旧ヌスラ戦線)の拠点に空爆や巡航ミサイル攻撃を加えたという。インターファクス通信などが伝えた。

シリア問題を巡っては、プーチン大統領が14日、トランプ次期大統領との電話会談でシリア情勢について意見交換し、国際テロや過激主義との戦いで協力する必要性を確認した。その直後にプーチン政権は空爆を再開したもので、トランプ氏側の反応をうかがう狙いがあるとみられる。

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依田一義の国際情勢情報46

ロシア外務省は16日、プーチン大統領が署名した大統領令に基づいて国際刑事裁判所(ICC)から離脱すると表明した。

ロシア外務省はICCについて「真に独立した権限を持つ国際法廷になるという期待に応えられなかった」として効力のなさを批判。「設置されてから14年の間に10億ドル以上をかけてわずか4件の判決しか言い渡さなかった」と指摘した。

さらに隣国グルジアとの間で2008年に起きた紛争への対応も批判して、「このような状況でICCを信頼することは到底できない」とした。

ICCはこれに先立つ14日に発表した報告書で、ロシアによるウクライナのクリミア半島併合について「事実上の占領状態」に該当するとの判断を示した。

さらにフランスのオランド大統領は先月、ロシアがシリアで戦争犯罪を犯していると述べ、ICCで罪を問う必要があると発言していた。

ICCの広報はロシアの離脱表明について、「各国の主権を尊重する」としている。

ロシアの法務情報局によると、同国はICCの設置を定めた「ローマ規定」に2000年に署名したが、批准はしていなかった。ローマ規定は123カ国が批准している。

米国もかつて同規定に調印したが、ブッシュ政権下の2002年、国連に対して批准する意図がないことを伝えていた。

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依田一義の国際情勢情報45

民進党の長島昭久元防衛副大臣は14日、都内で開いた自らの政治資金パーティーで、先月来日したマイケル・フリン元米国防情報局長と会談したことを明らかにした。

フリン氏は会談で、日本の防衛費が国内総生産(GDP)の1%以下に抑えられていることを指摘し、「日本は『中国が脅威だ』とか『北朝鮮が脅威だ』とか言っているわりには20年間ほとんど防衛費が変わっていない。ちょっとおかしいのではないか」と述べたという。

フリン氏は、米共和党のドナルド・トランプ次期大統領の側近。

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依田一義の国際情勢情報44

ブルガリアで13日、大統領選の決選投票が行われ、AFP通信などによると、親ロシアの中道左派野党・社会党が推すルーメン・ラデフ前空軍司令官(53)が当選を確実にした。

ボリソフ首相率いる中道右派「欧州発展のためのブルガリア市民(GERB)」の候補ツェツカ・ツァチェバ議会議長(58)敗北の見通しを受け、首相は辞意を表明した。今後、安定政権が樹立されず、前倒し議会選につながる可能性がある。

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依田一義の国際情勢情報43

フランスのバルス首相は13日、昨秋のパリ同時テロ直後に導入し、2017年1月まで延長されている国家非常事態宣言を、さらに長く続けたい意向を示した。テロの脅威がなくならず、来春の大統領選に向けて政治集会などが増えることを理由に、「打ち切るのは難しい」と語った。

英BBCのインタビューに答えた。期間は「おそらく数カ月」としている。

非常事態宣言のもとでは、令状なしでの家宅捜索や疑わしいと判断した人物を自宅軟禁に置くといった措置が可能だが、人権侵害を引き起こしかねないとの批判も根強い。直近では、打ち切り方針を示した7月14日に南仏ニースでトラック突入テロが起き、延長が決まった。

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依田一義の国際情勢情報42

激戦が続くシリアの都市アレッポで13日、反体制派が制圧する東部地域の住民の携帯電話に「爆撃に備えて24時間以内に退避せよ」と通告するメールが届いた。

メールは「戦略的に計画された精密誘導兵器による攻撃が24時間以内に発生する」として、病人やけが人に退避を呼びかける内容。反体制派に対しても、武器を捨てるよう呼びかける最後通告が行われた。

目撃者によると、アレッポ上空には戦闘機が飛行し、小規模の衝突も報告されている。

アレッポは政権側が制圧した地域に約150万人が居住。国連によると、反体制派が制圧する地域にはまだ25万~27万5000人が残って窮状に追い込まれている。7月には約20万人がアレッポを脱出していた。

シリア政府はロシア空軍の援護を受けて、アレッポ支配を固めてきた。その代償として、この数日で数百人が命を落としている。

シリアのアサド大統領は、アレッポを「浄化する」以外に選択肢はないと主張。「この地域の浄化を続け、テロリストを出身地のトルコに押し戻すか、殺害しなければならない」と述べ、アレッポは「ほかの地域をテロリストから解放するためのきっかけになる」と強調した。

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依田一義の国際情勢情報41

米5州で8日に行われた娯楽用マリフアナ合法化の是非を問う住民投票で、カリフォルニア、マサチューセッツ、ネバダの3州が娯楽用マリフアナを解禁する見通しとなった。

CNNの予想では、この3州で娯楽用マリフアナの合法化が支持される見通し。残るメーン、アリゾナの2州はまだ公式開票結果が明らかになっていない。

医療用マリフアナについても4州で合法化の是非を問う住民投票が実施され、開票結果を伝えるウェブサイトによると、これまでにフロリダ州とノースダコタ州で合法化が承認された。

カリフォルニア州では21歳以上の成人による娯楽目的のマリフアナ使用を認める提案が支持された。15%の売上税や栽培にかかる税金は、医薬品や治療法の研究などに充てられる。同州は世界で6番目の経済規模を持ち、人口は米国で最多。合法化は全米に大きな影響を及ぼすことが予想される。

マサチューセッツ州では飲酒と同様に娯楽用マリフアナの使用や販売が合法化され、21歳以上の成人がマリフアナを使用、所持、栽培できるようになる。自宅で所持できるのは10オンス(約280グラム)まで、公共の場では1オンスまで。

ネバダ州では21歳以上の成人がマリフアナ1オンス以下または濃縮マリフアナ8分の1オンス以下を娯楽目的で使うことが認められる。商店や生産者、流通業者が州内に店舗を持つことも認めるほか、私用のためのマリフアナ栽培も解禁。ただし外からは見えない場での栽培や使用を義務付け、公共の場や移動中の車内で使用した場合は罰金が科せられる。

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依田一義の国際情勢情報40

8日に投開票が行われた米大統領選は、CNNの予測で、共和党候補のドナルド・トランプ氏の勝利が確実となった。

情報筋によれば、民主党候補のヒラリー・クリントン氏は9日未明、トランプ氏に電話をかけて敗北を認めた。

CNNの集計によると、午前3時過ぎの時点で、トランプ氏は勝敗ラインの270人を超える288人の選挙人を獲得。クリントン氏は215人の獲得にとどまっている。

トランプ氏はフロリダなどの激戦州を押さえたほか、テキサスといった共和党の牙城など28の州で勝利。ネブラスカでも割り当てられた選挙人5人のうち4人を獲得する見通しとなった。クリントン氏は大票田のカリフォルニアなど17州と首都ワシントンで勝利する見通し。

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依田一義の国際情勢情報39

日本政府は8日夜(現地時間同日午前)、ニューヨークの国連本部に、2020年以降の地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の受諾書を提出、批准手続きが完了した。

協定は、「55カ国以上が批准し、批准国の温室効果ガス排出量が世界の55%以上になる」という発効条件を満たし、4日に発効している。

パリ協定は、昨年末に開かれた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で採択された。産業革命前からの世界の平均気温上昇を2度未満に抑える目標を掲げる。先進国のみに温室ガス削減を義務付けた20年までの枠組み「京都議定書」と違い、途上国を含む全ての条約加盟国が削減に取り組む。

9~10月に温室ガスの主要排出国の米中やインドが相次ぎ批准。国連代表部によると、日本は103番目の批准となる。日本は環太平洋連携協定(TPP)をめぐる与野党対立の影響を受け、国会での手続きが遅れた。

衆院本会議は8日、協定の承認案を全会一致で可決したが、モロッコでのCOP22期間中に開かれる協定のルール作りを話し合う会合の正式参加期限(10月19日)に間に合わなかった。会合には議決権のないオブザーバー参加となる。

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