依田一義の経済情報12

マークイットとCIPSが5日発表した9月の英サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は52.6で、予想の52.0を上回った。8月の52.9から小幅な低下にとどまった。

3日に発表された製造業PMIに続いて予想を上回り、あらためて来月の追加利下げの必要性が疑問視される数字となった。

IHSマークイットのチーフ・ビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「9月のPMIは堅調で、追加利下げの必要性に疑問を投げかけることになるだろう」と述べた。

マークイットは、今年後半に英経済がリセッションに陥る可能性は「ほぼ消えた」としている。

ただウィリアムソン氏は、欧州連合(EU)離脱の将来的な影響に対する懸念は依然残っていると指摘。対ドルでポンドを31年ぶり低水準に押し下げた投資家の懸念と同様の見方を示した。

その上で「英経済はさらなる後退に対して依然脆弱で、年末にかけ政策面で行動が必要になる可能性は否定できない」と述べた。

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依田一義の経済情報11

マークイットが発表した9月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は52.6と、2015年1月以来の低水準となった。速報値からは変わらず。

前月は52.9だった。

2013年半ば以降、景気判断の分かれ目となる50を上回る状況は続いているが、IHSマークイットの首席ビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「勢いが弱まっているというサインが示された」と指摘した。

「ユーロ圏の4大経済大国のうち、勢いが増している兆しがあるのはフランスのみで、ドイツ、イタリア、スペインでは成長が鈍化傾向にある」という。

一方、産出価格指数は50.0となり、2015年9月以来の高水準。速報値は50.1だった。同指数は過去5年間、概ね50を割り込んでいる。8月は49.3だった。

9月のユーロ圏サービス部門PMI改定値は52.2。速報値の52.1からはやや引き上げられたものの、2014年12月以来の低水準となった。8月は52.8だった。

サービス部門の雇用指数は52.0と、8月の52.4から低下し、5カ月ぶり低水準に落ち込んだ。速報値は51.8だった。

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依田一義の経済情報⑩

欧州連合(EU)統計局が発表した8月のユーロ圏小売売上高は前月比0.1%減少した。ロイターがまとめたエコノミスト予想は0.3%減だった。前月比での減少は3月以来、初めて。

前年比では0.6%増となったが、増加率は予想平均(1.5%増)を下回った。

食品・飲料・たばこは前月比0.4%減。衣料やコンピューター機器など非食品は0.1%減となった。自動車燃料は0.2%増加した。

一方、7月の小売売上高は、前月比1.1%増から同0.3%増に大幅改定された。前年比でも2.9%増から1.8%増に下方改定された。EU統計局によると、下方改定は主にドイツとフランスでの売上高減少によるもの。

7月売上高の改定は、欧州連合(EU)離脱を決定した英国民投票が、ユーロ圏の消費者心理と支出に当初の想定より大きな影響を与えている可能性を示した。

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依田一義の経済情報⑨

マークイット/CIPSが発表した9月の英建設業購買担当者景気指数(PMI)は52.3と、前月の49.2から上昇した。5月以来初めて景況の拡大・悪化の分岐点とされる50を上回った。

住宅建設が回復し、新規受注も持ち直した。過去3年の平均である約60は下回った。市場は49.0への低下を予想していた。

IHSマークイットのエコノミスト、ティム・ムーア氏は「新規受注が3月以来の大幅増となったことで、建設企業の短期見通しは楽観的」と指摘した。一方、「2016年初めと比べて同セクターが引き続き伸び悩んでいる」との見方を示し、投資の低迷とポンド安に伴う原材料の高騰を原因として挙げた。

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依田一義の不動産情報169

グランドプリンスホテル京都(京都市左京区)と、びわ湖大津プリンスホテル(大津市におの浜)は4日、全客室で初の大規模改装を行うと発表した。訪日外国人観光客の増加を受けて快適性を高め、国際会議の参加者や北米観光客らの取り込みを目指す。
グランドプリンスホテル京都(全310室)は2~8階を「ロイヤル」「エグゼクティブ」「デラックス」とタイプ分けし、2017年1月~18年3月に順次リニューアルする。同ホテルは外国人客のうちアジア客の割合が高く、今後はベッドを大きくするなどして北米客を増やす。
びわ湖大津プリンスホテル(全528室)は5~35階のフロア名を「EIZAN」「スカイ」「レイク」と分け、今年12月から18年3月にかけて順次改装する。湖に近い立地やホテル内の大規模会議場を生かし、リゾート客や国際会議参加者の取り込みを目指す。
両ホテルとも客室単価を3割程度引き上げるのが目標という。両ホテルを運営するプリンスホテル(東京)を傘下に持つ西武ホールディングス(HD)の後藤高志社長は「京都、大津の観光資源を生かし、自治体や地元住民と連携し、地域を活性化させたい」と述べた。

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依田一義の経済情報⑧

国際通貨基金(IMF)は4日、最新の世界経済見通しを発表した。7月時点の予想に比べ、日本の2016、17年の見通しを引き上げる一方、米国を引き下げ、世界全体では据え置いた。IMFは「現状の『標準以下の成長』が永続するリスクがある」として各国に政策発動を呼びかけた。

日本については、消費税増税の見送りや経済対策、日銀の金融緩和が個人消費を後押しし、円高などのマイナス要因を相殺すると分析。16年の実質経済成長率の見通しを0.5%増とし、7月時点から0.2ポイント上方修正した。ただ、「成長が引き続き弱い」とし、低成長に変わりはない。

ユーロ圏も英国の欧州連合(EU)離脱決定が重しになるものの、金融緩和効果を考慮して小幅に上方修正した。新興国ではインドが成長を持続、ロシアも原油価格の持ち直しで上向くと見込んだ。中国は据え置いた。

一方、米国はドル高や原油安、大統領選を巡る不透明感を背景に設備投資が振るわないとして、16、17年ともに見通しを引き下げた。EU離脱を決めた英国は、企業が投資や雇用に慎重になるとみて17年分を引き下げた。

世界全体の見通しは、16年が3.1%増、17年は3.4%増とそれぞれ据え置いた。IMFのオブストフェルド調査局長は「先進国経済は中期的にがっかりするような低成長の道筋をたどる」と予測。景気低迷が主要国の内向き姿勢をさらに強め、貿易縮小の流れが強まるなどすれば「世界経済の低迷を一段と深刻化、長期化させる」と警戒感を示した。

◇IMFの成長率見通し

2016年     17年

世界全体  3.1(--)   3.4(--)

日本    0.5(0.2)  0.6(0.5)

米国    1.6(▼0.6) 2.2(▼0.3)

ユーロ圏  1.7(0.1)  1.5(0.1)

英国    1.8(0.1)  1.1(▼0.2)

中国    6.6(--)   6.2(--)

インド   7.6(0.2)  7.6(0.2)

ロシア  ▼0.8(0.4)  1.1(0.1)

ブラジル ▼3.3(--)   0.5(--)

※単位%。▼はマイナス。カッコ内は今年7月からの修正幅。-は変わらず

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依田一義の不動産開発情報92

Jフロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店は4日、本館を建て替えている大丸心斎橋店(大阪市)について、テナントとして入居する専門店を増やす方針を明らかにした。百貨店業界では主力の衣料品の販売が伸び悩んでおり、専門店の割合を増やすことで安定した賃貸収入をめざす。

好本達也社長は大阪市内であった会見で「心斎橋の新しい店では賃貸借の割合が増える」と述べた。

本館は地下3階、地上11階建てとして2019年秋の開業を予定している。売り場面積は約4万平方メートルと、約9千平方メートル広くなる。隣接しいまも営業している北館や南館を含め、売り場のあり方を見直す。

大丸松坂屋は、大丸梅田店(大阪市)にユニクロを入れるなど、専門店の割合を高めていた。好本社長は「非効率な売り場面積の圧縮を進め、百貨店の枠を超えたビジネスモデルの構築に取り組む」としている。

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依田一義の不動産情報168

三菱地所ホームは、三菱地所グループのリフォーム事業ブランド「三菱地所のリフォーム」において、最新の設備とインテリアコーディネーターによる提案をセットとしたマンションリフォーム向けの定額制リフォームメニュー「Re Dia(リ ディア)」の提案・販売を10月4日(火)から開始する。これまで同社がリフォーム事業によって蓄積した施工力により「専有面積に応じた定額制」を採用するなど、価格・商品の優位性を持ったリフォーム商品となる。

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依田一義の不動産開発情報91

総合地所はこのほど、千葉県船橋市で総区画数34区画の戸建て分譲プロジェクト「ルネテラス船橋」のモデルハウスを竣工した。造園系建設コンサルタントの重松剛氏(HIRAMEKI代表)による監修のもと、「ここにしかない風景と暮らしの創出」を目指した。

全体敷地は5369平方メートル、全34区画。電柱地中化による開放感も全体のゆとりを更に増幅させている。

10月上旬から新規に販売する3区画の価格は4460万~4960万円。

全体概要は、敷地面積110~155平方メートル、建物面積は97~112平方メートル。価格は3900万~5000万円台。最多価格帯は4600万円台。交通はJR総武線船橋駅徒歩17分ほか。

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依田一義の経済情報⑦

終盤のニューヨーク外為市場では、メイ英首相が欧州連合(EU)離脱に向けた交渉を来年3月末までに開始すると2日に表明したことを受け、ポンドがドルに対して31年ぶりの安値に接近、ユーロに対しては約3年ぶりの安値に下落した。

ポンド/ドル<GBP=>は一時、1%超下落して1.2818ドルとなり、7月上旬につけた31年ぶりの安値まで0.005ドル未満の水準に接近。終盤は0.9%安の1.2863ドルだった。

ユーロ/ポンド<EURGBP=>は一時、2013年8月以来の安値となる0.8748ポンドに下落、直近は0.7%安の0.8718ポンドで推移している。

TDセキュリティーズのシニア通貨ストラテジスト、メイズン・イッサ氏はメイ首相の交渉開始時期表明について「ブレグジット(英国のEU離脱)は実現しないとの期待も依然として残っていた中で、市場は意表を突かれた格好となった」と述べた。

米供給管理協会(ISM)が発表した9月の米ISM製造業景気指数は51.5と節目の50を超え、ロイター調査のエコノミスト予想を上回った。これを受けドルは主要通貨に対して堅調に推移した。

ISM製造業景気指数は好感される内容だったが、米経済の勢いが強まっているとの見方を強めるほどではなかった。TDセキュリティーズのイッサ氏は同指数について「ドルを大きく押し上げるほどの支援材料にはならない」と語った。

新興国通貨ではコロンビアペソが急落。2日に実施されたコロンビア政府と同国最大の左翼ゲリラ組織、コロンビア革命軍(FARC)による和平合意の是非を問う国民投票で合意が否決されたことで、同国の信用格付けや税制改革をめぐる懸念が強まった。ドル/コロンビアペソ<COP=>は一時3%下落、終盤は1.7%安の2931ペソとなっている。

ドル/円 NY終値 101.61/101.68

始値 101.31

高値 101.65

安値 101.31

ユーロ/ドル NY終値 1.1209/1.1213

始値 1.1239

高値 1.1239

安値 1.1206

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