依田一義の不動産情報75

国土交通省が31日発表した4月の新設住宅着工戸数は前年同月比9.0%増の8万2398戸となり、4カ月連続のプラスとなった。

相続税対策としての投資が増えているアパートなどの「貸家」が16.0%増となり、全体を押し上げた。

「貸家」は3万5504戸と、6カ月連続でプラス。「分譲住宅」はマンションと一戸建て住宅がともに好調で、9.0%増の2万3029戸。一方、景気動向を反映しやすい、注文住宅などの「持ち家」は1.2%増の2万3567戸にとどまった。

株式会社Z-ONE

依田一義のエネルギー情報101

関西電力は30日、7月1日に首都圏で家庭向けの電力小売り事業を始めると発表した。電気の使用量が比較的多い世帯では、東京電力より4~6%割安となる料金を設定した。今後3年間で10万件の契約獲得を目指す。関電が他の大手電力管内で小売り事業に参入するのは初めて。

電力小売り自由化は今年4月にスタート。関電は、首都圏での販売体制が整ったとし、7月からの開始を判断した。30日に本社で記者会見した八木誠社長は「契約獲得目標のハードルは高い」と話し、「業務提携先の企業を増やしていきたい」と意欲を語った。

株式会社Z-ONE

依田一義の不動産情報74

JR九州は26日、スマートフォン向け無料通信アプリを提供するLINE(ライン)が建設を断念した福岡市博多区の自社ビル予定地を購入すると正式に発表した。取得額は明らかにしていない。購入日は6月29日の予定。

土地はJR博多駅とキャナルシティ博多の間に位置する1590平方メートル。2020年度に延伸が予定されている福岡市営地下鉄七隈線の駅予定地に近く、JR九州は今後、ホテルやオフィス、店舗などが入る複合ビルの建設計画をたてる。

LINEは東京に次ぐ拠点として13年、福岡市に子会社を設立。自社ビル建設も計画したが、建設関連費の高騰を理由に着工を断念した。今春からJR博多駅前のJRJP博多ビルに拠点を集約している。

株式会社Z-ONE

依田一義の不動産開発情報34

銀座六丁目10地区市街地再開発組合(東京都中央区、茶村俊一理事長)はこのほど、松坂屋銀座店跡地などを含む街区で推進している第一種市街地再開発事業を上棟した。2017年1月末の竣工を目指す。オフィスは2月に引き渡しを開始し、商業施設と文化・交流施設の開業は4月の予定。

株式会社Z-ONE

依田一義のエネルギー情報100

政府と福島県は県内に合計出力500メガワット級の風力発電所群を整備し、2020年までに首都圏に送電を始めることが23日、分かった。11年の東京電力福島第1原発事故後に運転を休止している変電所や送電網を活用する。東京ガスなどが発電事業者として参入を検討している。

計画は福島県を再生可能エネルギーの先進地として再建する「福島新エネ社会構想」の一環。福島県内で比較的安定して風力が得られる沿岸部と阿武隈地方に、2~3メガワット級の風力発電所を数百基整備し、参入事業者を誘致する。発電できる電力は福島第1原発(合計約4700メガワット)の約10分の1に相当する500メガワットに達する見通し。

福島県は候補地の風の強さやその向きを詳細に調べる「風況調査」や、「環境影響評価」(アセスメント)を進めており、両地域の中でどこが建設適地かを調査中だ。風力で発電された電力は首都圏に送電される計画で、福島第1原発事故後に休止している新福島変電所を活用する予定。経済産業省が既存の送電網と各風力発電を結ぶ送電線の整備計画を進めている。

一方、福島県は年内に発電事業者を公募する。参入事業者は1メガワットあたり100万円を政府や福島県、東京電力などで構成する「福島県再生可能エネルギー復興推進協議会」に拠出し、同協議会が復興支援として活用する。参入を検討している東京ガスの広瀬道明社長は「福島のために何かできないかという思いがある。採算、条件が合えばゴーサインを出せる」と述べ、前向きな姿勢を示した。

◇風力発電

太陽光などと並ぶ「再生可能エネルギー」。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によると、2014年度までの10年間で、国内設置基数は920から2034に、発電できる総容量は92万キロワットから293万キロワットに増えた。12年からは風力で発電した電気を電力会社が一定価格で買い取る制度もある。ただ、一定規模以上の発電設備の設置には、環境影響評価(アセスメント)が必要で、設置までに一定の時間がかかる。自然環境への影響や騒音などを懸念し、地元住民から反対運動が起こるケースもある。国内では風車として回る羽根部分の落下事故が相次いだのを受け、15年に電気事業法が改正。17年度から発電事業者は設備の定期検査を義務づけられる。

株式会社Z-ONE

依田一義のエネルギー情報99

住友商事が南相馬市に建設するメガソーラーは、太平洋沿岸にある市有地を利用する。面積は110万平方メートルに及び、東日本大震災に被災した3つの地区に広がる。すでに5月20日に着工して、1年10カ月後の2018年3月に運転を開始する予定だ。

発電能力は59.9MW(メガワット)に達して、福島県内で稼働中あるいは建設中のメガソーラーを含めても最大になる。太陽光発電の標準的な設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)を14%で計算すると、年間に7300万kWh(キロワット時)の電力を供給できる。

一般家庭の電力使用量(年間3600kWh)に換算して2万世帯分を上回り、南相馬市の総世帯数(2万3500世帯)の85%程度に相当する電力量になる。住友商事は発電事業の特別目的会社を設立して、発電した電力を固定価格買取制度で売電する計画だ。年間の売電収入は20億円を超える見込みで、総事業費は220億円を想定している。

このメガソーラーの建設プロジェクトには、みずほ銀行が参画して資金調達を担当するほか、東芝と大成建設がEPC(Engineering, Procurement and Construction、設計・調達・建設)を請け負う。東芝が太陽光発電システムを供給する一方、大成建設は太陽光パネルを設置するための架台の基礎工事などを担当する。

大成建設は「T-Root」と呼ぶ独自の基礎施工技術を使って、工期の短縮とコストの低減に取り組む。T-Rootは樹木の根(Tree-Root)が地中に広がる形状をヒントに開発した。架台を支える4本の鋼管の下に、それぞれ4本ずつ基礎杭を地中に斜めに打ち込む方式だ。

ハンディー型の電動ハンマーを使って人力で杭を打ちこめるため、一般的なコンクリート基礎による施工と比べて工程が少なくて済む。大成建設によると、施工期間が最大で半分程度に短縮できるうえに、工事費も1~3割ほど削減できる。水田の跡地のように軟弱な地質に対応できるほか、重機を使えない傾斜地でも施工しやすい利点がある。

2020年度にエネルギー自給率を65%へ

南相馬市は東日本大震災で津波と原子力発電所の事故による甚大な被害を受けた。現在も市の東半分の地域では放射能の除染作業が続いている。メガソーラーを建設する市有地がある場所も除染作業中の「右田」「海老」「真野(鹿島)」の3地区にある。

復興計画で重要な役割を果たすのが再生可能エネルギーで、2012年度から「南相馬市再生可能エネルギー推進ビジョン」に取り組んできた。2030年代には市内のエネルギー消費量の100%を再生可能エネルギーで供給できるように、2012年度に5%だった自給率を2020年度に65%まで引き上げる目標を掲げている。

再生可能エネルギーの中でも太陽光発電と風力発電の導入ポテンシャルが大きいことから、南相馬市では太陽光発電設備を公共施設に率先して導入するほか、民間企業の誘致を促進してきた。再利用がむずかしい被災地をメガソーラー向けに提供する施策もビジョンに沿ったものである。

南相馬市は2015年3月に全国の自治体で初めて「脱原発都市宣言」を出して、原子力に依存しない街づくりを進めている。省エネルギーの推進と再生可能エネルギーの積極的利用、さらに災害に強いスマートコミュニティを市内に展開する方針だ。太陽光発電の電力を使って植物工場を増やす構想もあり、農作物の新しい生産方法の開発にも取り組んでいく。

株式会社Z-ONE

依田一義のエネルギー情報98

5月11日、三菱化工機 <6331> は神奈川県川崎市にある川崎製作所の敷地内に、新たな水素ステーションの建設を開始すると発表した。主力製品である小型水素製造装置「HyGeia-A」の運転効率化と、開発中の水素ステーション充填パッケージの実証運転が目的。また、川崎市が進める「水素社会の実現に向けた川崎水素戦略」の一環にもなっており、地方自治体と企業の連携と協力によって水素社会の実現を目指す。

同社は早くから小型水素製造装置の納入や水素ステーションの建設に携わってきた。2002~10年度には、燃料電池自動車(FCV)の普及に関連する経済産業省の事業に参画した実績がある。この度の新設は水素ステーションのさらなる普及に向けた事業の足掛かりとし、建築工事のコストダウン、最適使用の確立、適切なメンテナンス方法などを工夫するという。

新設する水素ステーションの原料は都市ガスで、水素ステーションの中で水素を製造・供給する「オンサイト型」だ。デンマークの大手メーカー「H2 Logic」から技術を導入した「CAR-100」という水素ステーション充填パッケージを日本向けに改良したディスペンサー一体型の機能を搭載することで、充填効率アップを図る。また、CO2の排出量が低いと川崎市が認定した「HyGeia-A」を搭載し、環境に配慮している。建設の際は基礎や配管、計装電気などの工事の簡略化に取り組み、20フィートコンテナでユーティリティ設備のパッケージ化を行うという。完成は16年11月頃になる見込み。

川崎市内及び周辺には、東芝 <6502> 、昭和電工 <4004> 、旭化成ケミカルズ <3407> 、東燃ゼネラル石油 <5012> 、東亜石油 <5008> 、JX日鉱日石エネルギー <5020> など、水素・燃料電池関連会社が集積している。同市はかつて工業の発展とともに公害問題が深刻であったが、公害対策に尽力し環境問題に取り組んできた結果、環境技術と産業が集積する形となった。環境先進都市の強みを活かしてグリーンイノベーションを推進し、水素社会の実現を目指す。

株式会社Z-ONE

依田一義の不動産情報73

不動産経済研究所の調査によると、4月に首都圏エリアで供給された新築分譲マンションは1978戸で、前年を13.5%下回った。これで、5カ月連続の減少となった。エリア別に見ると、東京都区部(872戸)が27.6%の大幅減。神奈川も438戸で19.3%下回った。

株式会社Z-ONE

依田一義の不動産情報72

アットホームの調査によると、2015年度の首都圏における定期借家物件(居住用)の成約件数は、6529件で前年度比1.5%減だった。普通借家を含めると、全体に占める割合は前年と同じ2.7%。登録数は前年度比4.2%減だった。
平均賃料は10.32万円で、前年度比10.0%下落。マンションが11.92万円、アパートが6.05万円、戸建てが13.78万円だった。戸建ては同1.5%上昇したものの、マンションとアパートは下落した。

株式会社Z-ONE