依田一義のエネルギー情報80

岩谷産業は、商用水素ステーション一部で営業時間を平日夜10時までに延長すると発表した。
燃料電池車に水素燃料を供給する水素ステーションは、営業時間が平日午前9から午後5時まで、土曜日が午後1時まで、日曜・祝日が休業と、使い勝手が悪く、燃料電池車ユーザーから不満も多かった。
同社では、東京・芝公園、東京・池上、愛知・刈谷の水素ステーションの営業時間を平日午後10時まで、土曜日17時までに延長、山口・周南では平日午後8時に延長する。
近くオープンする予定の大阪・本町、大阪・森之宮の水素ステーションの平日営業時間を午前9時~午後10時、土曜日午後5時まで営業する。
また、今後他の水素ステーションを含めて営業時間の延長や電話予約受付制度の導入も検討する。

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依田一義のエネルギー情報79

北海道電力と同社のグループ企業である北電総合設計は地域に根ざした再生可能エネルギーの導入拡大に向け、2016年度から「小規模木質バイオマス発電実証事業」を開始する。北電総合設計が東京大学、日本森林技術協会と共同で林野庁の補助事業へ応募し実施する事業だ。
一般的な木質バイオマス発電の多くは石炭火力発電と同様に蒸気タービン式の発電システムを採用している。しかし設備が小規模になると発電効率が低下するという課題があり、木質バイオマス発電市場の拡大を阻む1つの課題となっている。
今回実施する実証は「小規模であっても高効率なバイオマス発電システム」の開発を目指すもので、原料に木質チップを使用し、さらに水素製造技術と燃料電池を組み合わせて効率を高めるというユニークなシステムとなっている。
実証を行う発電システムの概要は以下の通り。まず木質チップを流動層ガス火炉に投入して、800~1000度で熱分解(ガス化)する。愚痴に一酸化炭素と水蒸気を取り出し、改質器の触媒と反応させ水素と二酸化炭素を生成する。最後に生成した水素と燃料電池で発電を行う仕組みだ。
この発電システムのポイントとなるのが燃料電池だ。使用するのは東京大学が特許を持つ燃料電池で、効率的に廃熱を回収できる機能を持つ。回収した廃熱は木質チップの熱分解利用することで、システム全体のエネルギー効率を高める狙いだ。発電出力は50kW(キロワット)程度となる見込みで、実証では発電効率50%、システム全体のエネルギー効率で70%以上の実現を目指す。このシステム全体については北海道電力、東京大学他で既に特許を出願している。

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依田一義の不動産開発情報26

住友不動産は5日、東京・高田馬場エリア(新宿区)の約2万4000平方メートルの敷地で進めてきた大規模複合開発事業「新宿ガーデン」が完成したと発表した。事業の中核となるのが地上37階建ての超高層免震タワー。22階までのオフィス部と24階以上の高級賃貸住宅「ラ・トゥール新宿ガーデン」によって構成されている。オフィス部のテナントはIT・システム系が主流で、すでに入居率は100%に達した。免震構造に加え停電時には3重でバックアップするという高度なBCP(事業継続計画)対策が評価された。

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依田一義のエネルギー情報78

新たな消化ガス発電施設が稼働したのは栃木県最大の下水処理量がある川田水再生センター(宇都宮市)内で、下水処理施設から発生する消化ガスを活用したリン酸形燃料電池による発電方式では国内最大級となる。同消化ガス発電施設建設など工事はプラントエンジニアリング事業を展開するメタウォーターが代表構成員として、また宇都宮市内の電気工事業者である協新電工および美工電気が構成員となった建設共同企業体で受注し、2014年から工事を進めてきたものだ。
川田水再生センターでは下水処理の過程で年間約330万N立方メートルのバイオガス(メタンを主成分とした可燃性のガス)が発生している。宇都宮市下水道局はこのバイオガスを有効活用するため、事業費17億3880万円をかけ、リン酸形燃料電池を利用した発電設備を導入した。燃料電池発電設備は下水汚泥から発生するバイオガスの主成分であるメタンから水素を取り出し、空気中の酸素と化学的に反応させることで、発電装置となる。発電効率が高く、メンテナンスが容易、化学反応を利用して発電するため騒音・振動がほとんどなく排ガスの発生もないなどの特徴がある。
今回の消化ガス発電設備の発電能力は840kW(105kW×8台)で、年間発電電力量(最大)は約717万kWh/年(一般家庭の約2000世帯分の年間電力使用量に相当)。同水道局では今回の取り組みで下水道資源の有効活用と発電電力を売電することでの収益につなげていく考えだ。
なお、発電設備は「電気事業者による再生可能エネルギーに関する特別措置法」に基づいた、再生可能エネルギー発電設備の認定を受けている。同特別措置法は再生可能エネルギーで発電された電気を電力会社が一定期間、固定価格で買い取ることを義務付けた制度。

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依田一義のエネルギー情報77

川崎重工業、岩谷産業、シェルジャパン、電源開発(Jパワー)の4社は、共同で設立した「技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構」(HySTRA)がCO2フリー水素サプライチェーンを構築する実証事業を実施すると発表した。
水素エネルギーを社会に普及させるためには、安価で安定的にCO2フリー水素を供給することが重要で、2014年6月に経済産業省が発表した「水素・燃料電池戦略ロードマップ」では、CO2フリー水素サプライチェーンの確立が掲げられている。
水素サプライチェーンの実現に取り組むため、川崎重工を主幹事とする岩谷産業、Jパワーの3社は共同で実証事業を提案し、2015年6月にNEDOの「未利用褐炭由来水素大規模海上輸送サプライチェーン構築実証事業」に採択された。
今回、シェルジャパンを新たに加えて設立したHySTRAに実証事業を移管して運営する。将来の海外からの商用液化水素チェーン実現を見通すため、HySTRAは、「褐炭ガス化技術」のパートと、「液化水素の長距離大量輸送技術」、「液化水素荷役技術」の2つのパートで構成、2020年度までに各パートにおける技術実証と、商用化に向けた課題の抽出を行うことを目的として活動する。
各社の役割では、国内で石炭ガス化複合発電(IGCC)に取り組んでいるJパワーはこれまで蓄積したガス化技術を活かし、「褐炭ガス化技術」の技術実証に主体的に取り組む。
LNG貯槽・受入基地の建設、種子島のロケット射点設備の建設など、極低温機器サプライヤーである川崎重工と、国内唯一の液化水素製造・供給事業者である岩谷産業、LNGのサプライチェーンやLNG船の運航に実績があるロイヤルダッチシェルの日本法人であるシェルジャパンは、共同で「液化水素の長距離大量輸送技術」と「液化水素荷役技術」の技術実証を担当する。
今後、4社がHySTRAのもとで各社の強みを持ち寄り、研究開発や実証事業を効率的に進めていく。

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依田一義のエネルギー情報76

再生可能エネルギーの導入拡大に向けては、気象条件による出力変動の調整が最大の課題となっている。これまで東北電力では、再生可能エネルギーの導入拡大に向け、国の実証事業として、南相馬変電所と西仙台変電所に設置した蓄電池技術を活用した出力変動対策に取り組んできた。今回の水素製造に関する研究は、こうした蓄電池による対策と同様の効果を期待して行うものだ。
研究では、東北電力 研究開発センター(仙台市青葉区、設置面積約400平方メートル)に、新たに小規模試験用の太陽光発電設備(約50キロワット)をはじめ水素製造装置(約5N立方メートル/時)などをコンテナ方式で設置する。屋上に設置した太陽光で発電し、その電力を使い水電解水素製造装置で、水を電気分解し水素と酸素を製造する。発生した水素は水素吸蔵合金方式水素貯蔵タンク(約200N立方メートル)に貯蔵。この水素を燃料電池(10キロワット未満)で酸素と反応させ発電する(図1)。電力は研究開発センターで利用する計画だ。研究期間は2019年3月までを予定する。
東北電力では、この研究で出力変動の大きい電気を水素製造に使用し、吸収することで、水素製造技術が蓄電池と同様に再生可能エネルギーの導入拡大に伴う出力変動対策として適用可能かを検証することにしている。
また、水素エネルギーは、省エネルギーやエネルギーセキュリティの向上、環境負荷の低減などの面から、日本の将来の重要なエネルギー源として期待されており、国においても水素社会実現に向けた取り組みが進められている。東北電力としても、この研究を通じて、水素エネルギーに関する知見を獲得していく考えだという。また、東北エリアにおいても、水素社会実現に向けた取り組みが進められており、この研究を通じて得られた知見や成果を提供するなど、地域に寄り添った取り組みも進めていく方針だ。

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依田一義の不動産情報48

国土交通省は、既存不適格建築物の活用がしやすくなる制度改正を行う。建築物内部での床の増設など、小規模な増築を行う場合の基準を合理化する。
建築基準法の政令に基づく告示の一部を改正する予定だ。このほど、告示案のパブリックコメントの募集を開始した。
延べ面積が2分の1以下の増改築を行うとき、増改築の前後で建築物の主要な構造部材に変更を加えない場合は、現行の構造計算を行わなくても耐震診断基準への適合が確認されれば増改築可能、
とする基準を告示に追加する方向。具体的には吹き抜け部分の増床や、階高の高い室内での中間階設置などのケースが想定される。

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依田一義のエネルギー情報75

東北電力は、再生可能エネルギーの導入拡大に向け、水素製造に関する研究を行うと発表した。4月から研究システムの詳細設計を開始し、
機器を据え付けた後、2017年3月から水素製造などの研究を開始する予定。
再生可能エネルギーの導入拡大では、気象条件による出力変動の調整が大きな課題となっている。同社では、再生可能エネルギーの導入拡大に向け、
国の実証事業として、蓄電池技術を活用した出力変動対策に取り組んできた。
今回の水素製造に関する研究は、蓄電池による対策と同様の効果を期待して行うもの。研究では、同社研究開発センター(仙台市青葉区)に、新たに太陽光発電設備や水素製造装置を設置する。
太陽光発電による電気を使って水素を製造・貯蔵し、この水素を燃料にして研究開発センター向けの電力を発電する計画。
出力変動の大きい電気を水素製造に使用・吸収することで、水素製造技術が蓄電池と同様に再生可能エネルギーの導入拡大に伴う出力変動対策として適用可能かを検証する。
水素エネルギーは、省エネルギーやエネルギーセキュリティの向上、環境負荷の低減などの面から、日本の重要なエネルギー源として期待されており、国も水素社会実現に向けた取り組みを進めている。
また、東北エリアでは、水素社会実現に向けた取り組みが進められており、同社では、今回の研究を通じて得られた知見や成果を提供していく方針。

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依田一義の不動産情報47

日本政策投資銀行は3日、環境・社会に配慮した不動産を評価する「DBJグリーンビルディング認証制度」の認証物件が累計で300件を突破したことを明らかにした。
同制度は11年度にスタート。特にここ数年はJ-REIT(不動産投資信託)の動きが加速、全体を後押しした。
同制度の対象は、政投銀の顧客が所有するオフィスビル、商業施設など。「建物の環境負荷低減」「快適・多様性、安全・安心」「周辺環境、ステークホルダーとの関わり」という3分野で総合的に判断し、5段階評価を与える。2011~13年度の認証ペースは年間50件だったが、対象領域を拡大したことで14年度以降は70~80件へと急激に拡大。中でもJ-REITが増加、15年度は全体の4割を超えた。
原動力となっているのが、欧州の年金基金グループが創設した不動産会社・運用機関のサステナビリティー(持続可能性)をポートフォリオ(金融資産の組み合わせ)単位で測る基準「GRESB(グレスビー)」だ。
欧米・アジアの主要機関投資家は、環境と社会、企業統治を示すESG配慮が長期的な株主価値の向上に寄与すると考え、投資先を選定する際にGRESBを活用している。政投銀の制度は、14年度からGRESBの評価対象に採用されており、認証の取得活動に弾みをつけた。
ある調査によると、環境認証があるオフィスの成約賃料は一般的な物件に比べ約4.4%上回っている。このため認証物件は着実に増加するとみられる。

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依田一義の不動産情報46

東京カンテイは3月31日、2月の中古マンション価格天気図(70平方メートル換算、売り希望価格)をまとめた。2月は首都圏で価格上昇の鈍化傾向が見られるものの、地方圏の価格は概ね上昇傾向を維持しており、価格が上昇傾向にあることを示す「晴れ」が13地域から15地域と増加した。地方都市の価格は前月から引き続き強含んでいる地域が多く、下落傾向を示す「雨」は2地域に減少した。

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