東急不動産、住友商事、住友不動産はこのほど、地上50階建て・総戸数653戸の超高層タワーマンション「(仮称)ブランズタワー梅田北プロジェクト」の建設に着手した。大阪市北区の大阪市営地下鉄御堂筋線中津駅直結、阪急電鉄梅田駅から徒歩7分の立地。
大阪の高級ホテルとして知られた「東洋ホテル」跡地での開発。「都市・居住環境整備重点地域特定地区」に位置し、街並みが大きく変遷している中津駅周辺エリアの開発を象徴することになる。
物件の竣工は2020年2月下旬を予定。
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野村不動産は23日、マンション建て替え中の「プラウドシティ阿佐ヶ谷」(東京都杉並区)が9月に完成すると発表した。同社は建て替え事業を経営の重点戦略として掲げており、完成物件は「桜上水ガーデンズ」(同世田谷区)などに次いで4件目。これらを含めて首都圏では18カ所で事業を進めており、今後は年2、3件のペースで新たな建て替え計画に参画する構えだ。
今回のプロジェクトは、1958年に完成した旧阿佐ヶ谷住宅の建て替え。老朽化に伴い95年に再開発委員会が発足し2003年に野村不動産が参画した。土地の形態が複雑に入り組んでいたため、完成後の土地と建物を出資比率に応じて取得する等価交換を採用。同方式は権利者全員の合意が必要で、約150人の合意形成を行い、計画が進んでいった。総戸数は従来の155から575戸へと増えた。同社の建て替え事業は「プラウド」ブランドの浸透などもあり、「ここ数年、取り扱い件数が急激に増えている」(岩田晋・マンション建替推進部長)といい、今後さらに攻勢をかける考えだ。
業界では、防災対策を切り口に建て替え事業を推進する動きも顕在化している。
旭化成不動産レジデンス(東京都新宿区)は既に24件の建て替え実績を残しているが、8年後に100件の着工を目指している。これから特に力を入れるのが、特定緊急輸送道路の沿道建築物。現在の耐震化率は8割だが、東京都が防災対応力の強化を図るため2025年度末には100%を目指す新たな目標を打ち出したからだ。
同社の林善史・マンション建替え研究所所長によると、こうしたエリアは「周囲には高度利用されていない建築物も多く、それらと一体となった開発がしやすい」のが特徴だ。このため周辺住民に向けてダイレクトメール(DM)の配布を始めるなど、需要の掘り起こしに注力している。
老朽化や耐震性などから今後、建て替えを迫られる団地やマンションは全国的に急増する。ただ、事業環境は決して良好ではない。その一つが高齢者をめぐる問題だ。建て替え中は仮住まいを迫られることになり、「これまでのコミュニティーから離れてしまうことに対する不安感が非常に大きくなっている」(長谷工総合研究所)からだ。
さらに建築コストの上昇で販売価格が高くなり、一般的なサラリーマン世帯が購入に二の足を踏んでいることも、特に郊外物件の管理組合の“心理”を冷やす可能性がある。営業力の強化などによって、こうした阻害要因をいかに克服していけるかが、市場拡大に向けた課題といえる。(伊藤俊祐)
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新日鉄興和不動産(東京都港区)は、最新の大規模オフィスに匹敵する設備を兼備した中規模オフィスビル事業に参入する。「BIZCORE(ビズコア)」シリーズとして東京の都心部で展開し、第1弾は神保町(同千代田区)で供給。年間2、3棟ペースでの開発を目指す。高級タイプの中規模オフィス市場では野村不動産が「PMO」で先行。サンケイビルも「S-GATE(エスゲート)」の名称で開発に注力している。新日鉄興和不動産の参入で市場競争は激しさを増しそうだ。
同社は都内に、築20年を超えた約30棟の中小オフィスビルを所有している。事業化に当たっては「これらのビルのテナントに対するマーケティングをしっかり行って、プランに反映させた」(奈良敦・ビル事業本部都市再生部長)。
2017年11月に完成予定の「BIZCORE神保町」は地上9階建てで、延べ床面積は約8900平方メートル。眺望性を重視するため屋上庭園を配置し、一つ一つの企業の城が積み上がる「積層感」をイメージさせるような、外観デザインを創り上げていく。
また、防災対策の一環として建築基準法で必要とされる強度の1.25倍以上の耐力を確保。天井の耐震化も図った。事業継続計画(BCP)にも配慮。大規模災害の広域停電時には、非常用発電機によって共用部の防災機能維持とテナント専有部への電力供給を行う。危機管理対策も強化し、メインエントランスから各フロアの室内に至るまで、最大5段階のセキュリティーを設けた。
シリーズ第2弾以降のプロジェクトとしては赤坂、築地、渋谷エリアで開発が進められている。シリーズでは屋上庭園以外の部分について、基本的に同じ仕様とする計画だ。主なターゲットは中堅・中小企業やベンチャーなど。また、セキュリティーやBCPで高度な対策が求められる、大企業系のグループ各社のニーズも強いとみている。
新日鉄興和不動産が新たに攻勢をかける事業分野では、野村不動産の動きが顕著だ。具体的には16年から19年までに新規の15棟を計画。供給済みを含めるとシリーズ累計32棟となる。サンケイビルも年間3、4棟を目安にシリーズ展開している。
一方、大手不動産の間では、成長力が著しいベンチャーを自社のテナントとして呼び込もうとする動きが活発化している。三井不動産は日本橋などで、起業家が集う施設を運営。ベンチャーと大企業の連携を促進するためのプログラムを提供したり、ベンチャー向けの投資ファンドを立ち上げている。
三菱地所は大手町に、海外の成長企業や国内の先端ベンチャーを誘致することでビジネス支援を行う「グローバルビジネスハブ」を設立した。森ビルは赤坂のアークヒルズに投資家と起業家の交流拠点を開設したほか、虎ノ門ヒルズではコミュニティーづくりの支援を意識した取り組みに力を入れる。
ベンチャーの聖地として君臨していた渋谷も、18年完成の旧東急プラザ跡地の複合ビルを皮切りに、27年までオフィスビルの開業が相次ぐ。オフィスの供給過剰問題を見据え、有力ベンチャーや中堅会社をめぐる綱引き合戦が加速するのは必至だ。
こうした中、新日鉄興和不動産の奈良部長は「中小規模オフィスのうち築20年以上のビルは8割を占めている。潜在的なマーケットは大きい」と高級タイプの中規模オフィスビル市場の可能性を指摘している。
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野村不動産が参画した東京都立川市のJR立川駅北口西地区の商・公・住一体の複合再開発事業がこのほど、「立川タクロス」の名称で竣工した。
同再開発は、1995年の地権者有志による勉強会で始まった全員合意型の事業。組合施行で、同社は2010年に参画し事業を推進してきた。敷地面積は約5900平方メートル、建物は地上32階地下2階建て、延べ床面積が5万8550平方メートル。1~7階が商業・公共施設ゾーン。住宅は9階から32階までで、総戸数319戸(非分譲27戸含む)の「プラウドタワー立川」として2年前に分譲され即日完売した。専有面積は55~108平方メートル、価格は5248万~1億6598万円(最多7300万円台)。平均坪単価は342万円だった。引き渡しは8月下旬